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チベットで新たな焼身抗議

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2017年3月19日
ダラムサラ

2017年3月18日午後4時(現地時間)頃、東チベットのカムのニャロンのツォガ僧院近くで、24歳のチベット人男性ペマ・ギャルツェン(ペギャルとも呼ばれる)が焼身抗議を行った。情報筋は次のように語った。

「彼は、炎に包まれながら、ダライ・ラマ法王のチベットへの帰還と、チベットの自由を求めていました。」

警察が現場に急行し、黒焦げになったペマ・ギャルツェンを連行した。

今日、1分にわたる動画がニャロンから現れた。この動画には、現場に多くの警察が駐留している様子が映っている。

ペマ・ギャルツェンは、独身で農業を営んでおり、4人の兄弟姉妹と6人の親の一家の大黒柱であったという。

チベット難民コミュニティの2つの情報筋は、ギャルツェンが四川省成都の病院へ搬送されたと述べている。しかし、片方の情報筋によるとギャルツェンは死亡したとのことだが、他方の情報筋によるとギャルツェンは一命を取り留めたという。

現地とコンタクトのあるチベット難民は次のように語った。

「ニャロン在住のギャルツェンの親族10人ほどがカンゼ県警察署へ出向き、ギャルツェンとの面会を求めました。しかし、警察は、彼らを激しく殴り、一晩中拘束しました。親族は一晩中立たされたままでした。」

現地の通信規制のため、ニャロンからの情報はほとんどない。WeChat の使用もブロックされている。

ロブサン・センゲチベット亡命政権主席大臣は、今回の焼身抗議を受け、次のように語った。

「焼身抗議のニュースを聞いて、悲しく思っています。またも若いチベット人がチベット問題のために命を犠牲にしました。中国政府の下、チベットで弾圧が続いているということです。今こそ、中国政府はチベット人の声に耳を傾けなければなりません。人々は、長きにわたり、チベットの自由とダライ・ラマ法王のチベットへの帰還を求めているのです。中国政府は、チベット人の想いに応えなければなりません。」

今回の焼身抗議は、ニャロンでは2例目だ。1例目は、2016年のカルサン・ワンドゥ(18)だ。

ペマ・ギャルツェンの焼身抗議は、今年初めて起きた焼身抗議である。これにより、チベットでの焼身抗議者の数は146人となった。


(翻訳:亀田浩史)