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ダラムサラ、2008年オリンピックの北京開催に遺憾を表明

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2001年7月13日
ダラムサラ

「2008年の夏季五輪開催地に北京が選ばれたことに、深く落胆している」と、ダラムサラに拠点を置くチベット亡命政権情報・国際関係省のT.C.テトン大臣は語った。

「この決定は中国政府の人権侵害に国際的なお墨付きを与えることになり、中国は抑圧をエスカレートさせるだろう。そして、このIOCの決定により、基本的人権と自由の為の活動をしている一般市民、チベット人、ウイグル人、モンゴル人、その他の人々が犠牲となるだろう」

「北京に投票したIOCメンバーらは、一党独裁によって、間違いなく一般市民に浴びせられることになるであろう恐ろしい抑圧に対して、国際的許可を与えた責任を負うべきだ」

「このたった一つの行いで、IOCは1950年代の中国の更なる飛躍の為に死んだ4千万人以上の中国人犠牲者の記憶、文化大革命時での残虐行為、天安門事件での大虐殺、そして、中国のチベット侵略の結果死んだ120万人のチベット人犠牲者らを消し去ってしまったのだ」とテトン大臣は述べた。

中国政府側による、オリンピック開催は政治目的ではないという主張にも関わらず、「チベット自治区」の競技役員は、北京が2008年オリンピック開催地に選ばれたことは、チベット独立運動を阻止する能力を更に増すとしている。北京でのオリンピック開催により、チベットへの観光産業は発展するだろうと、チベット・スポーツ事務局長シェドゥルブ・ナムギャルは語る。「ますます多くの外国人がチベットを訪れ、人々はチベットについてより多く知ることになるだろう。そして、祖国分断者の言い分などには耳を貸さなくなるであろう」とチベットの自由の為に戦うチベット人を分断者と呼ぶ中国共産党員は語った。

遠く離れたモスクワにおいてさえ、その決定は北京の影響を受けた。7月11日、投票の2日前、モスクワでチベット人5人とスイス人支援者が、北京の五輪開催に反対して平和的抗議を行い、逮捕された。他の2人は一時的に拘留された。逮捕された中には記者が2人いた。

問題は、ロシア内での活動家を逮捕するという、モスクワにも圧力を掛ける中国が、北京での平和的抗議などを許すであろうかということである。

「今回の決定はオリンピック精神などではない。これはビジネスと、いかにビジネスをスポーツマン精神でかたどるかについてだ」とテトン大臣は語った。