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ダライ・ラマ法王が米国の最高勲章を受勲

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(2006年9月14日 AFP – Hindustan Times )

(ワシントン)米国下院議会は14日(水)に、亡命チベット人の指導者であるダライ・ラマ法王に米国の最高位の勲章である名誉勲章を授与する法案を可決した。

この勲章はこれまでにウィンストン・チャーチル卿、ジョン・ポールII世ローマ法王、マザー・テレサ、ネルソン・マンデラ氏などさまざまな個人に授与されている。

ダライ・ラマ法王に対しては、法王の宗教調和、非暴力、人権擁護の唱道と、チベット問題に関して中国政府首脳との対話を通した平和的解決を図る努力を称えて授与される。

上院では同法案は5月に可決した。

規定では、名誉勲章は上院・下院の両院議員の3分の1以上の賛成が得られた後、大統領が署名して法成立となる。

法案は広く二大政党の支援を得て、共同提案者は上院の民主・共和両党から上院議会の3分の2を超える387名にのぼった。

ダライ・ラマ法王はチベット民衆に民主主義と自由をもたらすための活動で1989年にノーベル平和賞を受賞している。法王は1959年に中国政府による支配に抵抗して起きた民族蜂起が破局的な結果となった後にチベットを脱出し、その後インドの高原の町ダラムサラに亡命政府を樹立して、西洋諸国にチベット仏教の教えを広めるべく尽力した。

近年ではチベットの状況に関して討議するためにチベット亡命政権使節団が5回中国に出向いたが、討議の引き延ばしを図る中国政府に非難が集中している。

「交渉による解決がチベット内の安定を保証し、世界における中国の名声を高めることになる」と、前述の法案の発案者である下院民主党党首のナンシー・ペロシ議員は語る。

北京は最近、ヒマラヤ地域の独立に向けた野心を「完全放棄」するならダライ・ラマ法王の中国への帰還を許可するという姿勢を示した。

2005年11月にホワイト・ハウスでダライ・ラマ法王と会談した米国ブッシュ大統領は、中国首脳にチベットに関する質問を頻繁に発し、チベットのこの精神的指導者にはチベット独立を求める気は毛頭ないと話している。