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ダライ・ラマ法王、尼僧の具足戒受戒について言及

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(2006年5月22日 Phayul.com

[ダラムサラ]ダライ・ラマ法王は、尼僧の具足戒(完全な出家者としての戒律)受戒に関する協議結果は、幅広い支持を得られるものでなくてはならないと述べた。これは第3回受戒者セミナーの開会式において、チベットの尼僧がナーランダー大学の根本説一切有部論に基づく比丘尼の具足戒を受戒することについて発言したもの。

ダライ・ラマ法王は、限られた聴衆を前に「本件についての協議結果を実行することが何よりも重要である。このようなセミナーや討議によって導き出された結論は、単なる歴史的研究や議論に終わらせず、実行に移さなければならない」と述べた。

ダライ・ラマ法王は「尼僧による具足戒の受戒はチベット仏教徒だけで決定できる問題ではない」との立場から、「本セミナーでの成果や決定事項を、仏教徒の国際会議を通じてスリランカやタイを始めとする世界中の仏教徒に知ってもらい、尼僧による具足戒の受戒についての総意が得られることが望ましい」との期待を表明。

「仏陀の真の信者であるチベット人の務めが果たされるのは、この問題について決まったことがすべて正しく実行されたときであり、そうでなければ私たちが務めを果たしたと言えるかどうかは疑問である」と述べた。

このセミナーには、カルマパ17世、チベットの閣僚、チベット人民会議や司法部の首脳のほか、他国の仏教尼僧も出席した。

尼僧による具足戒受戒について、内閣主席大臣サムドン・リンポチェ教授は「カシャック(チベット亡命政権内閣)は、これを良いとも悪いとも判断せず、また本件が尼僧にとっての福音であるのか、あるいは性別上の権利損害にあたるのかという判断もしない」と述べている。

尼僧による具足戒受戒が認められるようになれば、史上初のこととなる。チベット史上、「ゲシェ」(チベット仏教の博士号)と同等の学位を与えられた尼僧は、これまで一人もいなかった。ダライ・ラマ法王は数ヶ月前、ドルマリン尼僧院でこの問題に関する考えを手短に伝えていた。