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ダライラマ法王の安全に関するチベット亡命政権内各声明

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(2012年5月12日)

最近、ダライラマ法王の身の安全を脅かす報告に対して、多くのメディアが注目しており、大きな懸念となっている。

2012年5月8日、ダラムサラでダライラマ法王がサンデーテレグラフの取材を受けた際、記者から身の安全に関するコメントが述べられた。それに対しダライラマ法王は、安全保安局の警備体制が、彼がインドに最初に到着して以来の厳重さであることを述べ、彼の安全保安局担当者が、チベット地区にある中国治安機関で働くチベット人より、ダライラマを毒殺するためチベット人女性らが訓練されていた、との報告を受けた事を明かした。チベット人女性らは髪と伝統的な挨拶用スカーフに毒を塗り毒殺するよう訓練されていた。ダライラマ法王がチベット人と面談する際、チベット人はこのスカーフを進呈し、頭を下げ、彼の祝福を受ける。しかしながら、ダライラマ法王は記者に対し、この報告の真偽を確かめる方法がないこともはっきりと伝えた。ダライラマ法王は自身の安全の脅威について軽視しているが、彼の身を脅かすものはさまざまあり、安全保安局は深刻にならざるを得ない状況である。

2010年6月のチベットからの報告によると、中国諜報機関は、十分に訓練された工作員、とりわけ女性の工作員を雇い、ダライラマ法王に危害を与える具体的計画を立てているとの事。また、工作員らが最新の高度な薬物や毒薬を使用しダライラマに与えるダメージについて調査していることも知られている。また、2011年10月には、中国諜報機関がダライラマ法王の健康状態に関する情報収集に加え、彼の血液や尿、毛髪といった身体サンプルの収集を強化したと報告されている。報告によると、諜報員らはダライラマ法王と謁見できるようなチベット人を、チベット内で探しているとのこと。

2008年4月初旬、当時のチベット自治区党書記長ジャン・チンリー氏により、政府高官による会議が開かれた。会議にて、彼は「殺されねばならない者は殺されるべき、拘留されねばならない者は拘留せねばならない」と述べたと伝えられている。最近では2012年2月、現在のチベット自治区書記長チェン・チュエングオは「分離主義者の妨害に害する闘い」を要求した。

ここ数年、中国政府は、チベット内でダライラマ法王に対する未曾有の抗議活動を行っており、ダライラマ法王がインド国外の訪問の際は、訪問地の中国人団体で抗議集会を開くよう、関係当局へ指示を出している。当指示により、アメリカ、ヨーロッパ、日本において多数の抗議活動が行われた。

ダライラマ法王のチベット社会の改革と民主主義化への働きは、チベット人団体のシュグデン派を煽ることとなった。シュグデン派との対立は、ダライラマ法王がチベット人にシュグデン崇拝を禁止したことによって生まれたものである。1996年5月に設立されたドルジェ・シュグデン信奉事前宗教協会(DSDCRS)は、インド デリーに本部を持つシュグデン派の第一グループである。DSDCRSは、おそらく最も暴力的な団体といえる。インド警察は、DSDCRSが、ダライラマ法王の側近である中国語通訳含めた僧三人を殺害したことを確認し起訴している。この3件の殺害は、1997年2月、インド ダラムサラのダライラマ法王の住居付近で起こった。2007年6月、当事件の容疑者2名に対し、インターポールよりレッドノーティスが出されている。また様々な報告により、中国政府が極秘にシュグデン派団体を支援していると指摘している。2011年3月にアメリカで設立された「北米ゲルク連合」は、数度にわたり中国政府とニューヨークで面会し、中国へも定期訪問も行っている。

チベット亡命政権は、ダライラマ法王に効果的警備態勢を手配したインド政府に感謝をしている。チベット亡命政権は、本件で警戒すべき全ての者に警告を出している。

チベット政権内閣
2012年5月20日


(翻訳:H.Fujita)