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ダライラマ法王、2006年のカーラチャクラを世界の平和とチベットに捧げる

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(2006年1月6日 AFP)

(ニューデリー)ニュースレポートによると、亡命中のチベットの精神的指導者であるダライラマ法王は、チベット在住のチベット人たちは今もなお中国軍による抑圧勢力に苦しんでいると伝えた。

チベット在住のチベット人はインドに住むチベット人と違い、故郷にいながら抑圧軍による制圧に苦しまなくてはならない不遇の状況下にあることを、ジ・アイシアン・エイジ紙(The Asian Age )は法王の言葉として伝えている。

ダライラマ法王の言葉は中国政府そのものを指していなかったものの、メッセージは北京に向けられていると同紙は報道した。またダライラマ法王は、チベットの将来はチベット在住のチベット人の主導にかかっていると述べたと伝えている。

法王は、数千人の信者たちが12日間の特別な法話を聞きに集まったインド南部のアマラバティーという小さな村でこれを発言した。

中国軍のチベット侵攻9年後の1959年、ダライラマ法王は、北京の統治に対し、未遂に終わった民衆の反乱後にインドへ亡命し、インド北部のダラムサラに亡命政府を設立。その後、チベットを訪れていない。

ダライラマ法王は、中国国内でチベットの自治権を確立しようとする平和的運動に対して、チベット人若年層が反対意識を募らせていることについて厳しく言及した。

チベットの指導者たちは、70歳になる現指導者が亡くなった後、仏教の平和主義の理念に我慢できなくなった若年層によって対立が飛び火することを懸念していることを明らかにした。

ダライラマ法王が、カーラチャクラ参加者に向かって、チベット本土から来た人は?と尋ねると、その場で多くの手が上がった。
「中国政府によるチベット占領の結果として、おそらくあなたたちすべての家庭でなんらかの大きな喪失があったことでしょう」と、法王が話したとレポートしている。

チベット亡命国政府では、中国の抑圧によって最低でも100万人のチベット人が死亡し、およそ80,000人の亡命者が発生したと推定している。

中国政府の統治に対して平和的な反対運動を唱え、ノーベル平和賞を受賞したダライラマ法王は、チベット独立という要求を長いこと放棄してきた。

それどころか、法王は自治という「中道政策」のかたちをとり、中国政府がチベット文化を支持する中で、チベット人が中国国内に残ることがよりよい前途につながると信じていることを表明した。

しかし、中国政府はダライラマ法王をチベット分離主義者、及び反政府運動の代表人物とみなしている。

ダライラマ法王はチベット密教のカーラチャクラ、最終的に悟りへと達することができる「時輪」について信者たちに教えを説いたが、発言はそのキャンプでなされた。

ジ・エイジアン・エイジ紙は、ダライラマ法王は2006年のカーラチャクラを世界平和とチベットで迫害をうけている人々のために捧げたと伝えている。

写真:AFP