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ゴンポ・チー氏、新たなビデオメッセージの中で、ドルジー・タシ氏の緊急釈放に向けて奮闘を続ける

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2023年7月14日

「貸付詐欺」のでっち上げの罪で終身刑を受けた著名なチベット人実業家ドルジー・タシ氏の姉、ゴンポ・チー氏が、ドルジー氏の健康を危惧し、面会の許可を求める様子が2023年7月13日に動画で広く報道された。ドルジー・タシ氏は、チベットの亡命チベット人に寄付をし、チベット人抗議活動家への秘密資金提供の疑いで、2008年7月10日に逮捕された。

そのビデオの中でゴンポ・チー氏は、「自分の苦境や真実について話すことはできません。刑務所や公安局に近づくと、懸念を表明する代わりに、投獄や殴打すると脅迫されます。このビデオを使うことが、私の心配と願いを明らかにできる唯一の方法です」と語っている。ラサの公安局(PSB)は過去3年間、ゴンポ・チー氏が刑務所にいる弟と面会することを拒否してきた。ゴンポ氏の再三の訴えにより、2021年に一度だけドルジー・タシ氏とのビデオ通話が許されたが、その後も、拘留されているドルジー氏とのあらゆる接触を妨害され続けている。

このビデオの中で、ゴンポ氏が「2023年になっても、まだ弟に手紙を書くことさえ禁止されています」と話すのが聞きとれる。7月には刑務所にいるドルジー氏と面会できると言われたが、その面会は突然キャンセルされ、いつ面会できるのかさえわからない。 7月5日にラサの警察署に駆け込んだゴンポ氏は、翌日の面会許可を当局に懇願したが、職員らは来ないよう警告し、代わりに電話を待つよう求めた。さらに要求を続けるなら、彼女の通信を遮断するか投獄すると脅した。

「彼らは私たちを脅したが、私たちは従いませんでした。彼らは私たちの携帯電話と、彼らを暴くための証拠として使用できる可能性のあるすべてのものを押収しました」と、自由と権利の欠如を危惧しながら、ゴンポ氏は語った。

ゴンポ氏はさらに、警察署を訪れるたびに繰り返された虐待の内容を一切録音できなかったのは、携帯電話を押収されたためであると語った。さらに彼女は、自分が受けた殴打や不当な扱いについて、そして公安職員や地元警察官の全てがどのように彼女に対して共謀したかを明らかにした。 彼女は「当局は私に対して、多くの身に覚えのない罪をでっちあげるでしょう」とも語った。

彼女はまた、「憲法は、指導者であろうと大衆であろうと、すべての国民が平等であると認めています。しかし携帯電話が没収されたため、私たちがどのように扱われているかを撮影することはできませんでした。彼らは私たちを殴り、たった1人を処理するために、4、5人の警察官が急遽派遣されたようでした」と言い、更にゴンポ氏は、中国当局の不正を暴露し、真実を断固たる姿勢で発言していくとも語った。

「法律では、チベット人も中国人もすべての人を平等とみなしています。しかし、中国当局は、私たちにほんの少しでも正義を果たしているでしょうか?もし私の要求が中国の法律と憲法に反しているならば、彼らが私にどのような罪を押し付けようと、進んで受け入れると言いました」と彼女は語った。ゴンポ氏は、憲法に従って自らの要求を進めるよう当局に要請しても、嫌がらせや殴打を受けるだけだろうとも証言した。

「公安局も警察署も私たちに暴力をふるうでしょう。彼らがそのようなことをするなら、私はそれについて声を上げることができます。しかし、私たちはそのような状況を記録することができませんし、警察署での暴行を受け入れるしかないのです。携帯電話が取り上げられているので、それらを記録する方法がないのです。私は真実を話しています」とゴンポ氏は語った。

 ゴンポ・チー氏のこれまでの抗議活動

5月3日に投稿されたビデオの中で、ゴンポ・チー氏はドルジー・タシ氏に対する不当な判決を強く非難した。彼女は嘆願書の中で、法に従わなかった裁判官の責任を追及し、処罰するよう要求したが、裁判所は応じなかった。亡命チベット情報筋によると、ゴンポ氏と夫は、4月26日にラサで公安局(PSB)に逮捕され、翌4月27日の夜に釈放された。彼らは拘留中に身体的虐待、厳しい尋問を受け、今後このような行動をとらないよう警告されたと脅迫を受けたと報告されたという。これに対しゴンポ氏は、「殺されるまで抗議する」と述べた。

3月20日、ゴンポ・チー氏は「チベット自治区高等人民裁判所によるドルジー・タシ氏に対する疑惑は虚偽である!」と書かれた白いシャツを着て、裁判所の前に立った。さらに彼女は、ドルジー氏に対する判決のコピーを入手した。ラサ公安局の職員らは彼女を逮捕後、勝手に彼女を一晩拘束し、殴打した。翌3月21日、ゴンポ氏が警察署前で警官らに殴られる様子を撮影した動画が、ソーシャルメディアにアップされた。

3月31日、ラサの公安局はドルジー・タシ氏の兄弟であるドルジー・ツェテン氏を呼び出し、ドルジー・タシ氏に対する判決が覆る可能性はないと告げた。またドルジー・ツェテン氏は、彼自身や他の誰かがこの判決に異議を唱え続ければ、厳しい処罰を受けることになるだろうと警告された。

ドルジー・タシ氏の証言によると、彼は電気警棒で殴られ、鼻孔に熱い激辛の液体を注ぎ込まれ、適切な食事も与えられず、手錠をかけられて宙吊りにされるなど、厳しい拷問を受けたという。その後、中国の裁判所は彼の控訴手続きを6年間延期し、弁護士との複数回の面会を退けた。

ゴンポ・チー氏は、ドルジー・タシ氏の公正な裁判手続きとともに、即時釈放を求め続けている。

 – チベット擁護部門DIIRによる提出


(翻訳:Samsara)