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アメリカ大使、チベット指導者後継選びの権利についてチベットを支持するとダライ・ラマに伝える

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「チベット国際キャンペーン」10月28日付記事より

アメリカ大使は本日中央チベット政権を訪問の際、中国に向けて強いメッセージを送った。アメリカ合衆国は、次のダライ・ラマを選ぶ権利についてどの政府も干渉する権利を持たない、と。

国際的な宗教と人権の問題に取り組んでいるサム・ブラウンバック特使が本日2019年10月28日、インドのダラムサラにあるダライ・ラマの住居で会合した。

チベット亡命者の民主的な統治を管理する中央チベット政権(CTA)によると、ブラウンバック代表団は今回の訪問の主な目的は世界に向けて、特に中国に対し、アメリカはチベット人民を支持すると同時にダライ・ラマの後継者の決定権はダライ・ラマ14世ならびにチベット仏教社会だけが保有するもので、その他の政府等外部者にあるものではないことを伝えるためだった、発言しました。

「ダライ・ラマ14世との会合はとても有意義なものでした。彼は、嫌悪、分断そして不寛容を克服するべく宗教の自由の実現のために活動する生きる証です。私は感動しています。チベット人民はもちろん、すべての人々のため、宗教の自由のために精一杯働く決意です。」 twitterより引用

チベット芸術について話し合う史上初の国際会議のスピーチの際、ブラウンバック特使は今月初めの定例総会の場で、中国はチベット仏教指導者の輪廻転生に干渉する権利はないとの宣言を満場一致で採決したと述べました。

「はっきり言いましょう。アメリカ合衆国はこの意見を共有しています。」「チベット人のような宗教集団すべてが自由に信仰活動を行い、干渉なしに指導者を選ぶべきなのです。」

彼は次のようにも言いました「国際的な団体は今こそ一緒になって、チベット人民を支持することに疑う余地はないことを表明すべきなのです。」 ブラウンバック特使は10月27日にダラムサラに到着すると、ロブサン・センゲ亡命政権首相の出迎えを受けました。

チベット政策支持法案

長年、中国政府は現在84歳になるダライ・ラマの次の後継者の選定の権利があるというバカげた発言を繰り返してきました。

60年前のダライ・ラマ亡命に追い込んで以来、中国は暴力的に歴史的に独立国であるチベットを支配してきました。

ブラウンバック特使の発言の通り、チベット政策支持法案の成立の機運は継続しており、この法案がアメリカのチベット支持をより一層高め、中国の次期ダライ・ラマ選任の試みに制裁を課すことにつながることになります。

ジェームズ・マックガバン議員が先月に下院で、この法案を超党派法案にすることを提案しましたが、ここでは14名の共同提案者がいて、一方の上院ではマルコ・ルビオ議員が提案したこの法案には7名の提案者がいます。

先週、チベット人民協議会がこの法案を支持することをチベット国際キャンペーンのロビー活動の場で表明し、この時、アメリカ在住チベット人と支持者たちは米国連邦議会に押しかけて国内の議員に対しこの法案の支持を訴えました。

アメリカ、中国とチベット人の間の対話を促す

ダラムサラでは、ブラウンバック特使のチベット文化とアイデンティティ賞賛の発言が続きました。彼は、チベット文化を「人間性の宝物」と表し、中国の試みを「文明社会とはかけ離れたもの」と糾弾しました。

彼はパンチェンラマの解放を繰り返し要求し、少なくとも行方について世界に知らせるべきだと訴えました。パンチェンラマは1995年、6歳の時に拉致されました。いずれ迎えるダライ・ラマの後継問題を見越して中国は偽のパンチェンラマを任命し、外国で行われる仏教会議に今でも送り込んでいるのです。

ブラウンバック特使は、アメリカ政府は今後も中国政府とダライ・ラマ代表団間の対話が進むよう働きかけるとも言いました。

「成都にある領事館ならびに北京の大使館の当局者はもちろん副大統領含めたアメリカ政府の当局者は、中国当局とダライ・ラマ本人もしくは代表者の間で、当事者だけの直接対話による有意義な対話の場を設けて、前提条件をつけずに持続的な解決に向けた環境の構築の努力を継続していく」とブラウンバック特使は言いました。

2010年以降、チベット人は中国人の間で正式な対話の場はありません。チベット政策支持法案の元では、国務省内にチベット問題専任コーディネーターが中国にチベット人サイドと協議するよう働きかけることになります。

ブラウンバック特使はまた、アメリカ人はチベットの言語、宗教と文化に深い敬意の気持ちを持っていて、人々にも強い親しみを感じているとも言いました。

「アメリカ人とチベット人の間の絆は年を重ねるごとに、より一層強まっているのです」


(翻訳:Tashi Suda)