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アメリカ大使、 解放されたチベット政治犯との面会を要求

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2002年4月12日
北京(AFP通信)

駐中アメリカ大使は金曜、拘置期間が最長のチベット人政治犯として伝えられてきたが、最近解放されたタナク・ジグメ・サンポへの面会を当局に要求した。

76歳のジグメ サンポが1983年以来、拘置され続けてきたラサの悪名高きドラプチ刑務所から、3月31日に医療目的のために仮釈放された直後、クラーク・ラント大使はチベットに赴いた。

しかし、大使はチベット訪問中にジグメ・サンポに会うことはできなかったので面会を要請したと、大使館のスポークスマンは述べている。

スポークスマンによると、「大使は、彼自身、または適当な政府高官、あるいは関係者がサンポ氏に、できるだけ早く適切な時期に面会することを要求している」とのことである。

中国当局はジグメ・サンポに対し、外国での治療申請を「同情を持って考慮する」と返答したと、ロンドンに本拠地を置くチベット情報ネットワーク(TIN) は伝えている。

しかし米国を拠点として、中国における服役者を救う活動を行っているジョン・カムによると、1965年以来32年間拘置されてきた前小学校教師であるサンポは、チベットを離れたくないという意志を伝えたが、このことが原因で釈放が取り消されたことがあったという。

アメリカ大使館のスポークスマンは、ラント大使がジグメ・サンポと面会したい理由を明らかにしていない。

ただし、スポークスマンは、大使の4月5日から10日にかけてのチベット訪問は、チベットにおける信仰の自由、人権、開発、および社会の状況を視察するためであったと述べた。

スポークスマンはまた、ラント大使はチベット滞在中に、徐明陽チベット自治区政府常務副主席、およびその他のチベット高官と会談し、アメリカ政府がチベットにおける人権問題、および信仰の自由に関して憂慮していることを伝えたことも明らかにしている。

また、ラント大使は、報道される信仰の自由と人権の侵害に関して質問し、チベット当局がチベット独自の宗教、文化、そして言語の遺産を保護する活動を行っているのか尋ねたことも明らかにしている。

スポークスマンが事前に用意した声明では、「人権、そして信仰の自由に対するアメリカの考えを率直で建設的な方法で表明することは重要である。」という内容がラント大使の言葉として引用されている。

ラント大使はまた、チベットの宗教的な場所を訪れ、環境保護、経済開発、および貧困緩和の活動に従事しているNGO担当者と話し合いを行っている。大使は、チベットの首都であるラサに滞在していた。

人権問題活動グループによると、ジグメ サンポは、中国によるチベット人の扱いに関して意見を述べたことが原因で、当初は1965年から3年間拘置されたという。

1970年、サンポは、チベットから亡命するよう彼の姪をそそのかし、中国による虐待の現状を亡命したチベットの精神的指導者であるダライ・ラマ法王に報告したとして、10 年間の重労働義務を宣告された。

1951年、中国は、自らが 「平和的な解放」と呼ぶ方法でチベットを制圧し、その後は厳重で、しばしば残虐とも言える方法を行使してヒマラヤ地域を制御してきた。