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なぜ平和に結びつかないのか −チベットの写真展はその窮状を語る−

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2002年1月19日
ブッダガヤ(タイムズ・オブ・インディア)

チベット亡命政権の情報・国際関係省は、報道されている中国のチベットにおける残虐行為に関する写真展を開催した。月曜日からチベットの仏教徒により壮大な仏教の儀式が開始されるカーラチャクラ開催地で、金曜の午前、ガヤ地域ブラジェシュ・メロトラ行政長官により写真展のオープニングの幕が開けられた。

スチール写真、そしてチベット語と英語による説明文は、チベットを約50年間占領し続ける中国により、信仰の自由、そして個人の自由を剥奪されたチベット人の窮状を物語るものである。

チベットにおける人間の苦悩、そして破壊を示す写真も展示されている。写真にはチベットの女性や子供たちの苦しむ姿が収められている。

写真とともに展示されている英語による説明文には、広大な範囲の物質的な破壊だけではなく、中国はチベット領を利用してチベット人の信仰、そして文化のアイデンティティを抹殺しようとしていることが書かれている。

また、チベットが、中国によって核兵器の試験や核廃棄物の投棄として利用されていたことも明言されている。

ほかの説明文を読むと、120万人ものチベット人が中国の圧政により命を落としたことが明らかになる。6,000 の僧院が破壊され、現存する一握りの僧院は、公衆トイレやバラックとして利用されていること、そして、チベットの僧、尼僧は、信仰の対象を冒涜することを中国により強いられていることも。

写真展でひときわ目立つ説明文は、ダライ・ラマ法王の将来のチベットに対する構想を表すものである。その内容は、チベットが、非軍事化の道を歩むだけではなくチベットの自然の美しさを保つために、最小限必要な自然利用が行われる平和の聖域となるということである。

説明文の一つには、チベット運動を支援する中国人が増えてきたという主張も盛り込まれている。

チベット亡命政権の情報・国際関係省 T. サンペル事務次官は報道発表会で、写真展は中国人を攻撃したり、インド政府の中国との関係修復政策、および包括的な中国インド関係に悪影響を与えるものではない、と語った。

サムペル氏は、インドと中国の関係修復は、母国の自由と民主主義を求めて奮闘しているチベット人に利益をもたらすことになるだろう、とも述べている。

サムペル氏はさらに、インドは民主主義国家で、インド在住のチベット人は、民主主義の恩恵を享受しており、今回の写真展は堂々と開催されるべきであると語った。また、このような写真展が、中国の首相の訪問中に開催されたことによりインド政府が当惑しているとの噂を否定した。

サムペル氏は、「チベット人は、保護してくれるインドの方々を困らせるようなことはしない」と語った。

チベット亡命政権の宗教・文化省カルマ・ゲレク・ユトク事務次官は、カーラチャクラ法要のプログラムについて詳細を明らかにした。

ユトク氏は、壮大な仏教の法要の見積り予算は 1,200 万ルピーで、チベット亡命政権の省庁が法要を支援していることを明らかにした。

ユトク氏はまた、ブッダガヤに拠点を置く国際仏教徒理事会、チベットのNGO、チベット青年会議、および 2 人のスイス人を含む 6 人の富裕な仏教徒も今回の法要の支援に参加している、と付け加えた。