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「第2回モンゴル・チベット文化・宗教学術シンポジウム」が東京大学駒場キャンパスホールで開催されました。

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2023年7月16日

ノルジン・ドルマ大臣を歓迎する南モンゴルクリルタイ会長ショブチョード・テムチレト氏

東京:「第2回モンゴル・チベット文化・宗教学術シンポジウム」が2023年7月15日に東京大学駒場キャンパスで開催された。南モンゴルクリルタイはチベットハウス・ジャパンを共催者とし、また台湾民主基金を協賛として本シンポジウムを企画した。本シンポジウムは、チベットとモンゴルの間で1913年に調印されたモンゴル・チベット相互承認条約の110周年を祝うものでもある。

シンポジウムの司会を務めた三浦小太郎氏は、来賓・学術関係者・聴衆らの前でシンポジウムのコンセプトを以下のように手短に説明した。「このシンポジウムの目的は、モンゴルとチベットが古来から学術的に議論したり研究論文を発表したりすることを享受してきた、相互の歴史・文化・宗教の関連性を探索し、その重要性を示すことです」と。また、このシンポジウムは学術関係者らに対し、1913年に両国間で締結された条約を尊重し、その正当性と中国共産主義政権とのチベット・モンゴル紛争を解決する可能性について議論するよう促している。

約15人のモンゴル人、日本人、台湾人、チベット人の学者がこのテーマについて講演し、チベット・モンゴル研究のさまざまな側面と1913年の条約に対する見解について研究内容を披露した。

南モンゴルクリルタイ会長のショブチョード・テムチレト氏が主催者側から基調講演を行った。中央チベット政権 情報・国際関係省ノルジン・ドルマ大臣は主賓としてチベット側から開会の辞を述べた。

ノルジン・ドルマ大臣は、この重要なシンポジウムの主催者に感謝の意を表し、チベットとモンゴルの長い歴史的・宗教的関係について語った。その中で、当時チベットとモンゴルが独立国であったことを証明する上で、1913年の条約が今でも正当性を有することについて語った。大臣はまた、東京大学のキャンパスでシンポジウムが開催できたことに対して東京大学に感謝の意を述べた。

シンポジウムは3つのセッションに分かれて行われた。最初のセッションは「チベット・モンゴル相互承認条約及びその歴史的意義」である。モンゴルと中国の研究者である宮脇淳子博士、バラナシにある中央チベット学高等研究所のチャムパ・サムテン教授、華人民主書院の黄曼婷氏がこのテーマについて講演し研究内容を発表した。

シンポジウムの第2セッションでは「チベットとモンゴルの歴史的、文化的相互関係とその意義」がテーマとなった。モンゴル学者のボヤント氏、東京大学の平野聡教授、チベットハウス・ジャパン代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士がこのテーマについて講演し研究内容を発表した。

第3セッションでは、モンゴル学者のアリチャ氏、チベット政策研究所のペントック氏、華人民主書院の曾建元氏が「モンゴルとチベットの現況と将来の民族運動の連帯の可能性」について講演し研究内容を発表した。

各セッション最後に行われた質疑応答に参加した聴衆の反応をみると、各講演や発表は大変好評だった。東京大学の阿古智子教授は、アジア史におけるこの重要なテーマについて学術関係者たちが東京大学のキャンパスで討論できたことに満足の意を表し、終了のスピーチとした。

主催者は、今後研究者の発表内容を日本語、英語、中国語で印刷物として発行する予定だ。多くの学者や一般の人々が本シンポジウムに参加し、アジアのこの歴史部分に興味を持っていることに、多くの人々が喜びを表した。

ノルジン・ドルマ大臣は学者たちと交流し、彼らの発表に祝辞を述べた。大臣は翌日、チベットハウス・ジャパンにて日本在住のチベット人たちと会う予定である。

-チベットハウス・ジャパンによる報告

シンポジウムで講演する南モンゴルクリルタイ ショブチョード・テムチレト会長

講演する宮脇淳子先生
開会の辞を述べるノルジン・ドルマ大臣
チャムパ・サムテン教授の発表、通訳の三浦知子氏とともに
講演中の東京大学平野聡教授
講演を行う南モンゴルのボヤント氏
講演を行うチベット政策研究所のペントック氏
シンポジウムでパワーポイントプレゼンテーションを行うアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士

台湾の学者らと交流するノルジン・ドルマ大臣
ノルジン・ドムラ大臣に感謝のカタを贈呈する南モンゴルクリルタイ ショブチョード・テムチレト会長

 

オリジナル記事


(翻訳:Samsara)