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「中国理解のためにはチベット理解を」ロブサン・センゲ主席大臣が日本で訴え

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2017年2月11日
東京

来日中のロブサン・センゲチベット亡命政権主席大臣は、世界の複数の国において、チベット侵攻時と同様の中国の拡張政策が進んでおり、中国を理解するにはチベットを理解することが重要だと述べた。

11日、首席大臣は、ダライ・ラマ法王部日本代表部事務所主催の歓迎会に出席した。歓迎会には多くの日本人とチベット人が集った。首席大臣は、チベットの古代文明の復興、チベット人の教育、チベットの政治に対し、日本人が貢献してくれていることに感謝の言葉を述べた。

「皆さまの金銭的、そして、心のご支援により、インドのナーランダーに源流を持つチベット仏教が世界に広まっています。ダライ・ラマ法王も世界中を訪問しています。中国によるチベット侵攻後、チベット仏教文化は消滅の危機を迎えました。しかし、チベット人は亡命先で、灰の中から文明を再興させました。チベット仏教文化は今、躍動し、繁栄を誇っています。」

首席大臣は、2,500年の歴史を持つチベット仏教は50年の歴史しか持たない中国共産主義よりも長続きすると述べた。
「両者の歴史には比べ物にならないほどの差があります。私たちはあと2,500年繁栄するでしょう。私たちの繁栄の礎にあるのは仏教文明です。」

首席大臣は、中国を理解するにはチベットの理解が必要だと述べた。
「中国は、最近、他国にインフラやエンターテインメント施設を構築し、他国の指導者と協力しています。これはかつてチベット侵攻時に中国政府が用いた拡張戦略です。」

首席大臣は、中国政府がダライ・ラマ法王の死後にチベット問題が消滅すると考えていることは大きな誤りだと述べた。
「誤った考えにより、中国は今、台湾を失おうとしています。台湾では今、中国人よりも台湾人を第1に考える台湾ファーストのナショナリズムが高揚しています。時代は今私たちの方を向いています。私たちが主流になります。」

また、首席大臣は、ダライ・ラマ法王の転生者認定に介入する正当性、権限は中国政府にはないと語った。
「ダライ・ラマ法王はチベット人のダライ・ラマ法王であり、チベット人だけが転生者を認定する権利を持ちます。中国政府はチベット侵攻時、チベット仏教を破壊しました。今も、ラルン・ガルやヤチェン・ガルでチベット仏教の破壊は続いています。」

首席大臣は、チベットは繁栄を取り戻し、ダライ・ラマ法王はチベットへ帰還すると述べた。
「マハトマ・ガンジーは、真実と非暴力が勝利すると述べました。マーティン・ルーサー・キングは、山の頂上にたどり着けば自由が勝利すると述べました。ですから、私たちが勝利することができるようになるまで、私たちとともに歩き、ご支援いただければと思います。」

同日朝、首席大臣はニューズウィーク誌の Takaguchi Kenta 氏のインタビューに応じた。その後、チベット支援団体の Kanrui Chizuru に昼食に招かれた。

午後には、970万人以上の読者を持つ朝日新聞のインタビューに応じた。

日本に期待することについて尋ねられた首席大臣は、チベット議員連盟の設立に感謝すると述べた。議員連盟の設立は、チベット問題に対する世界の見方を中国人に伝えるよきシグナルになるという。

「みなさんがチベットの支援をオープンに行ってくだされば、中国人は現実の状況を知り、チベットで起きていることに興味を抱くでしょう。1人1人のチベット支援が、私たちが人権と民主主義を尊重するという明確な希望のメッセージとなって届きます。」

「日本政府が中道政策を支持してくださることを望みます。今、私たちはチベットの独立ではなく、高度な自治を求めています。」

日本へのメッセージを求められた首席大臣は、日本は影響力のある豊かな国で、仏教と民主主義の長い伝統を持つ国であり、誇りを持って伝統を共有し、中国政府に対し、民主主義とチベットの高度な自治の実現に向けて働きかけてほしいと語った。

首席大臣は、長きにわたりチベット支援を続けている日本に毎年訪れたいと語った。また、その支援を続けてほしいと述べた。

また、同日午後、首席大臣は千葉工業大学の学長と会談した。千葉工業大学は、修士課程で学ぶチベット人3人に奨学金を送っている。

首席大臣は、千葉工業大学の支援が個人の学生の教育だけでなく、チベットに対しても長期的な恩恵があると述べ、感謝の言葉を伝えた。
「教育を受けたチベット人を生み出すことは、長い目で見ると、チベットにとっての大きな恩恵となります。これは最大の資産と言えます。日本は世界で最も発展した国の1つですが、それは、教育の進歩によるものです。」

チベット支援を行う人々に対する中国政府の圧力が増す中、チベット難民の教育支援を行う千葉工業大学の勇気と精神に、首席大臣は謝辞を述べた。