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「中国は国連誓約の責任を果たさねばならない」:チベット亡命政権 情報・関係省大臣談話

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(2013年2月20日 CTA

ジュネーブ:ジュネーブに拠点を置くUNウォッチと20組の国際NGOが主催した「第5回人権と民主政治のためのジェノバ・サミット」で、チベット亡命政権 情報・国際関係省カロン(大臣)のディキ・チョヤン(Dicki Chhoyang)氏は、「中国は、国際連合人権理事会に誓約した責任を果たさねばならない」と語った。

ディキ・チョヤン大臣は中国に対し、国際連合人権理事会ならびに関連機構に最高水準の協力をするとした誓約を履行するよう求めた。中国の人権状況は、2013年10月に国連の普遍的定期審査により再度精査されることになっている。

国連人権高等弁務官のナバネセム・ピレイ(Navanethem Pillay)氏は2012年11月2日、チベットの悲惨な状況について前例のない強い言葉で声明を出し、「さまざまな人権問題を調査するための国連特別報告者が中国を公式訪問したいという要請は、12件はある。このなかには中国が2004年に同意したものの実現されていない、信教の自由を調査するための国連特別報告者の訪問も含まれている」と伝えている。

また、ピレイ国連人権高等弁務官は中国に対し、「焼身抗議をはじめ、チベット地域で危機的レベルまで拡大している命がけの抗議の根本には長年の苦悩がある。中国政府はこの苦悩の改善に速やかに取り組むとともに、独立した監査機関ならびにメディアのチベット地域訪問を許可し、実際の状況を明らかにしなければならない」と要請している。

Kalon Dicki Chhoyang during an interview
on RTS TV prime time news in Geneva

ディキ・チョヤン大臣は、「チベットでは2009年2月以降、102人が焼身し、そのうち86人が亡くなっています。彼らはみな、ダライ・ラマ法王の帰還とチベットの自由を求めています。私たちの耳には、何人目という数が飛び込んできます。しかしその数の背後には、あなたや私のような生身の人間がいるのです」と語った。

ディキ・チョヤン大臣は2012年2月19日に焼身した18歳の少年、ナンドゥル(Nangdrol)が残した短いメッセージを読み上げた。「僕たちは、これほど情け容赦ない法律のもとで生き続けることも、傷跡を残さないこの苦痛を辛抱し続けることもできない。基本的人権を享受できない痛みは、焼身の痛みよりはるかに激しいのだから」。

チベットで起きているこのような焼身抗議の理由は、中国政府による政治的弾圧、経済的差別、環境破壊、文化同化策にある、とディキ・チョヤン大臣は語った。ダラムサラの中央チベット政権は早くも2012年1月に、焼身抗議のような捨て身の行為を思いとどまるようチベット人に何度も呼びかけている。

中国支配下で生まれ育った新世代のチベット人による焼身抗議は、「チベットの状況がいかに深刻か」という明白なメッセージを世界に伝えている。

これに対して中国はさらなる弾圧を加え、焼身と関連があると思われる者をかたっぱしから犯罪者扱いしている。焼身のニュースを送った者もかたっぱしから逮捕されている。

さらには、ニュースの報道管制も行なわれている。東チベットの中国当局は衛星放送受信用アンテナをすべて没収し、外国からのニュースが入らないようにしている。ジャーナリストもチベットに入ることを禁じられている。

スイス国営ラジオ・テレビ(RTS)のニュースキャスター、ダリウス・ロシュバン(Darius Rochebin)氏は、ゴールデンタイムのイブニングニュースのなかでディキ・チョヤン大臣にインタビューした。ディキ・チョヤン大臣は、チベットの焼身抗議と4月に予定されているダライ・ラマ法王のスイス訪問について語った。(View interview)

中国とスイスの自由貿易協定の交渉についての質問に、ディキ・チョヤン大臣は次のように答えた。「我々は貿易協定に反対しているのではありません。交易利得のために人権と民主政治で妥協することに反対しているのです」。


(翻訳:小池美和)