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「まるで文化大革命のような弾圧」: 中国当局、チベット東部ドラクゴで空高くそびえる仏像や45台の巨大マニ車を破壊

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2021年12月28日
インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ
スタッフレポーター

(写真)カム・ドラクゴで、高さ約30メートルの仏像の解体前に行なわれた儀式の様子

情報筋によると、中国政府は旧来のチベット東部地方カム・ドラクゴ地域(現在は四川省に編入)で、約30メートルの仏像を解体した。また、僧院の周囲に建てられた45本のマニ車が撤去され、タルチョ(祈りの旗)は燃やさた。

中国政府に解体された仏像は、ドラクゴの地元チベット人民からの多大な寄付により、約4,000万元(約630万米ドル)の費用をかけて、交差路に建立された。1973年、ドラクゴは大地震に見舞われ、数千人の死者が出る等、深刻で甚大な被害を受けた。2015年10月5日、将来の自然災害を防ぐためにと祈りを込めて、高さ約30メートルの仏像を建立したのだ。

情報筋によると、仏像は、必要とされるすべての認可を地区事務所から得た上で建立されており、当時、地元当局からも称賛を得ていた。しかしながら、この2〜3年間で、この地域を訪れた中国政府高官は、仏像の大きさについて批判していた。つい最近、2021年12月12日、郡当局は認可に係る文書を無効とし、このような高さの像の建立は禁止されていると主張し、取り壊しを命じた。このような理由は、設置に約180万元(約282,500米ドル)もの費用がかかっている45台のマニ車をも破壊し、周辺に掲げられたタルチョまで焼き払う根拠として正当化できるものではない。

チベット人は何世紀もの間、運気の高揚を願ってタルチョを掲げたり、不幸から免れることを祈って宗教的な建造物を建立したり、他者の幸福のためににマニ車を回して真言を唱えたりしてきた。仏像や宗教的建造物を破壊することは、このようなチベット人の伝統に対する直接攻撃である。「中国当局によるこれらの行為は、チベットの宗教、言語、文化に対する強烈な攻撃です。現在のドラクゴにおけるチベット仏教の弾圧状況は、まるで文化大革命のようです」と、情報筋は述べている。この地域の情報は厳しく管理され、現時点では実際に破壊された写真やビデオ映像を入手することはできない。

先月、 ドラクゴのガデン・ラブテン・ナムギャル・リン僧院の管理下にあるゲデン・ナンテン仏教学校 は、適切な書類が未提出で、土地利用法律に違反するという理由を捏造され、取り壊された。ゲデン・ナンテン仏教学校は創立以来、チベット仏教、チベット語、中国語、英語など様々な授業を提供し、当該地域における重要な教育拠点として機能していたことから標的となった。学校閉鎖後、130名の生徒は他の学校に転校することもできず、それぞれ地元の村に帰ることを余儀なくされた。中国政府は、宗教的権利、言語権及び自らの文化と伝統を維持し実践する権利を含むチベット人民の基本的権利を完全に侵害したのだ。

-国連、EU、人権デスク、 チベット擁護セクション/中央チベット政権情報・国際関係省(DIIR)による報告