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17ヵ条協定50周年記念に対するT・C・テトン大臣の声明

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2001年5月23日

(以下抜粋)

5月23日は、チベットと中国が17ヵ条協定に署名してから50周年の記念日となる。

今も物議をかもし出しているこの17ヵ条協定により、不本意ながらも無力なチベット政府は抑えつけられ、チベットは復興した中国との共存を強いられた。中華人民共和国は、「少数派の」人々と署名した、この疑わしい唯一の法的な道具を再び誇示し、広大で資源豊富なチベット高原における自らの権利を正当化し続けるだろう。

中国は17ヵ条協定50周年記念日を利用して、チベットにおける自国の業績を展示し、自らのチベット占拠継続を正当化するだろう。さらに中国は、この記念日を利用して、チベットと中国のさらなる統合に向けた経済発展政策を一段と深化させるだろう。

影響力のあるチベット人有力者たちは、「解放」以来チベットにもたらされた開発を賞賛するために、隠居生活から引き戻されることになるだろう。ンガボ・ンガワン・ジグメやラルー・ツェワン・ドルジェ、その他チベット在住の著名なチベット人大物政治家たちが協定に関する新聞や雑誌で賞賛の記事を書く予定になっている。

記念日を祝うために、チベット人には5日間の休暇が与えられる。記念式典での展示はポタラ宮殿前の広場で行われる。5月23日を皮切りに、チベットのラサや他の都市で文化的な催し物が開催される。50年前、協定に署名して以来、チベット人が広範囲に「利益」を享受してきたという統計を大量生産するために、中国政府は自らのプロバガンダ・マシーンをフル回転させるだろう。さらに5月22日から、中国は様々な代表団を世界各地に派遣し、「中国の統治により、チベット人に利益がもたらされるはずである」との主張を売り込むだろう。「解放」以来チベットで起きた「進歩」に関する文化的な公演や展示が世界中で予定されている。チベットでは、記念日の催しに参加しない場合、当人の給料や年金を差し押さえるとチベット人達に告げている。

中国政府が組織的に違反を犯し、さらに1959年にダライ・ラマ法王が強く拒否した協定や条項に関して、なぜ中国はそのような空騒ぎをするのか。

チベットと中国の17ヵ条「協定」の事実は、以前に何度も発表されたように明確に立証されており、1951年5月23日に北京で「署名」された協定には、チベット政府の公式印(国璽)が押されていなかった。代わりにチベット代表団の個人的な印章が押されたが、それらは北京で慌てて作られたものであった。

中国がこの悪名高い協定をどんな謳い文句で祝おうと、より良い未来を手に入れようとするチベットの人々の苦闘がこの50年間で強まってきたことは、歴然とした事実だ。

協定の50周年記念祝賀は、この極めて重大な事実も、あるいは「解放」という名のもとに行った占領政権によるチベット人の虐殺も隠せないだろう。

チベットで寛大主義政策を行っていた時期の中国政府は、1979年と1980年代初めにチベット側の実情調査使節団4組と実地調査代表団2組を受け入れた際に、ダライ・ラマ法王との一連の交渉によってチベット問題を解決する必要性を暗黙のうちに認識していた。中国は行き詰まった対話の再開を必要としている。

今こそ、ダライ・ラマ法王が1987年にワシントンで発表し、次いで1988年にフランスのストラスブール(欧州議会がある都市)で発表した2つの提案を中国政府が再検証し、再考する何よりも良い機会なのだ。