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中国が指名するダライ・ラマは認めないと米国の議会が宣言

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2019年4月10日
インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

チベットの精神的最高指導者であるダライ・ラマの化身認定についての中国の主張に対し、米国議会は、ダライ・ラマ法王の化身認定はダライ・ラマ法王のみが正当な権限を有することに議論の余地はないとしたうえで、ダライ・ラマによる指針のみに従うと発表した。

「ここに明言します。米国議会は中国が選んだダライ・ラマを認めることは決してありません」 コリー・ガードナー上院議員は、上院外交委員会の東アジア太平洋・国際サイバーセキュリティ政策問題小委員会の公聴会で、こう述べた。同小委員会は、アジアにおける米国の政策を監督する重要な議会機関であり、カードナー議員が委員長を務める。

米国議会は、中国の不当な主張に対抗する形で、ダライ・ラマの化身制度についてはダライ・ラマ法王が示す指針のみに従うことを宣言した。「ダライ・ラマ法王はご自身の転生者について指針を示された。アメリカはそれに従う」

チベットの現状とそのインド太平洋地域への影響に関する公聴会で証言した「チベットのための国際キャンペーン(International Campaign for Tibet、ICT)」副会長ブチュン・K・ツェリン氏は、中国によるダライ・ラマ化身認定を管理する計画は、チベット本土内外ともにチベット仏教徒には受け入れられないものであると述べた。

ダライ・ラマ法王14世は、2011年にチベット仏教の伝統である化身認定制度の歴史とご自身の転生者について、次のように声明を発表している。

「明確なガイドラインがないがゆえに、ダライ・ラマの化身認定制度が継続されるべきであるという声が高まっており、政治的目的を達成するためにこの制度が誤用されてしまうおそれがあるのは明らかです。したがって、私が身体的、精神的にいたって健康である今のうちに、次のダライ・ラマを認定するためのガイドラインを作り、問題や策略などが将来的に決して起こる余地のないものとすることが大切であると思われるのです」

「もし引き続きダライ・ラマの転生者が必要であるということになり、第15世として再臨者を認定しなければならない時期が来たときには、その任務の責任は主としてダライ・ラマのガンデン・ポタン基金財団の役員たちにあります」

ダライ・ラマ法王はさらに、こう述べている。「このように正しく、論争の余地なしに認定される化身以外には、たとえ中国人民共和国の権力者などの如何なる政治権力を有する人物が政治的必要性を満たす目的で次の化身を選出することがあったとしても、その人物をダライ・ラマの化身と認定する必要はありませんし、それを受け入れて信仰する必要もありません」

声明文の全文サイトへ

最近の NHKジャパンのインタビューの中で、ダライ・ラマ法王は、ダライ・ラマの化身認定が今後行われるかどうかは、チベット人が決めることであると1969年にすでに明言したと述べた。「次期ダライ・ラマをどのように選ぶかよりも、それを決めるのが先なのです。」


(翻訳:植林秀美)