(2016年11月14日 法王庁)
高野山大学の創立130周年を記念して招聘された法王は14日午後、約700人の参加者に不動明王の許可灌頂を授けられた。不動明王は密教の重要な尊格で、チベット仏教においても高野山真言宗においても厚く信仰されている。
昼食に精進料理が用意された金剛峯寺の食堂に入られるダライ・ラマ法王。
昼食の席では、幽霊が話題になった。法王は、1959年に亡命を余儀なくされるまで過ごしたチベットのラサを思い出され、「高野山にお化けは出ますか?」と切り出された。ポタラ宮殿には「よくお化けが出た」のだという。「遠くに、仰向けに倒れている白い髪の人影を見て、怖くなってその場から離れたことがあります」「ポタラ宮殿のなかにはサルのお化けが出るという話もありました。ある人がサルのお化けを見て、物を投げつけたら、やかんが倒れて火鉢から煙が上がったそうです」「ポタラ宮殿内には、まったく明かりのない真っ暗な部屋があり、お化けがいるかもしれないとよくのぞき込んでいました。子どものころは、お化けの話を聞くことが大好きでしたが、聞いた後は怖くて眠れなくなりましたね」 法王の思い出話に、同席した人々も「夜は怖くてトイレに行けなくなったことがありました」とうなずいていた。
高野山大学松下講堂黎明館で不動明王の許可灌頂を授与されるダライ・ラマ法王。
ダライ・ラマ法王による不動明王の許可灌頂が授与された高野山大学の会場の情景。
高野山での法話会が終了し、聴衆席の参加者に手を振られるダライ・ラマ法王。
法王は高野山に滞在され、15日は「21世紀における仏教の使命」と題してご講演される。
高野山大学での許可灌頂が終了し、高僧たちとともに金剛峯寺を歩かれるダライ・ラマ法王。