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観光開発の危機にさらされる聖地カイラス

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(2004年6月18日 フリーチベット・キャンペーン)

今こそ行動するとき !
6月28日、世界遺産委員会国際会議が開催 !

世界でもっとも神聖な山の一つであるカイラス山の繊細な自然環境が、より多くの観光客をチベット西部へ誘致するための中国開発計画による脅威にさらされるかもしれない。この地域の自治体が、大々的な観光事業を促進するために新しい道路やその他の構造基盤の整備拡張を含む、この地域の「エコツーリズム」計画 (2002年〜2012年) を開発したことは周知の事実である。2003 年には、カイラス山に居住する現地チベット人が、この提案について公言しないように役人から警告を受けたことが報告されている。

カイラス山は、仏教徒、ボン教徒、ジャイナ教徒、そしてヒンズー教徒を含む多くの宗教を信仰する者にとって、重要な巡礼地となっている。ほとんどの巡礼者は、体の不浄を清めるために聖なる「コラ」(山を歩いて一周することで、その距離は、海抜 5,700 メートルまでの 56 キロに達する)を実行する。カイラス山はまた、3〜5 日間をかけて山を一周する欧米の旅行者にとっても人気のある場所である。108 周したものは、即身成仏すると見なされる。

10 年間以上この場所を頻繁に訪問している、西側からのある旅行者は次のように語っている。

「チベット人はこの道路を『大惨事』と評している。チベット人がカン リンポチェと呼ぶカイラス山は、非常に神聖な場所でその景観は全く損なわれていないため、チベット人の心配は大変大きい」

カイラス山から 155 マイル離れたニャリの中心地の当局が、ラサからの観光客が短時間で訪れることができるように民間空港の設置を計画していることも報道されている。また、ネパール当局も、カイラス山上空を観光用ヘリコプターで遊覧することを最近許可している。

フリーチベット・キャンペーンの支援者は、ユネスコの世界遺産国際委員会や IUCN (国際自然保護連合) などの、重要な聖地や景観地を保護することに関心のある様々な機関に支援を頼む書簡を既に送っている。両機関とも、フリーチベット・キャンペーンが憂慮していることには共感しているが、カイラス山を世界遺産地域として指名することができるのは中国だけである、と間違いなく強調している。また、有用な情報を提供し行動を起こすことを約束している。フリーチベット・キャンペーンも、これらの機関を支援するように人々に呼びかけている。