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胡錦涛宛のロプサン・トントゥプ処刑を非難する書簡に アメリカ連邦議会の79名が署名

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(2003年2月27日 ICT

これまでの数週間に、米国下院議員67名及び上院議員12名が、胡錦涛・中国国家副主席宛の書簡に署名し、ロプサン・トントゥプ処刑を非難すると共に、この件に関連して中国当局に拘束されているチベット人たちの身柄の安全に対する懸念を表明した。

この書簡は下院のスティーヴ・ロスマン議員(共和党-ニュージャージー州)、マーク・カーク議員(民主党-イリノイ州)、上院のジム・ジェフォード議員(無所属-ヴァ−モント州)の呼びかけによるもの。文面は以下の通り:

中華人民共和国北京市
胡錦涛・中華人民共和国国家副主席閣下

親愛なる胡錦涛・中華人民共和国国家副主席閣下
私共は、ロプサン・トントゥプ氏の処刑、テンジン・デレク・リンポチェ(トゥルク・テンジン・デレク)への死刑判決確定、ならびにこれらの件に関連して逮捕された10名のチベット人の処分に関しまして、懸念を表明致したく御手紙を差し上げます。

去る2002年4月、テンジン・デレク・リンポチェとロプサン・トントゥプ氏は、甘孜ならびに成都で起きました一連の爆破事件に関わる容疑で逮捕され、告訴されました。そして2002年12月、両名に死刑判決が出されました。2003年1月25日には、四川高等裁判所による秘密審理でテンジン・デレク・リンポチェの控訴が棄却され、そして伝えられるところによりますと、その翌日にロプサン・トントゥプ氏の死刑が執行されました。2002年4月以来、懲役5年の判決を言い渡されたツェリン・トゥンドゥブを含む総計12名がこの件に関連して逮捕されており、そのうち4名は裁判も無く身柄を拘束されたままです。信頼できる消息筋によりますと、全員が拘留中に拷問を受け、全ての公判が極めて制限された状況で執り行われたとのことです。また被告は外部との接触を断たれ、弁護団を選ぶことも拒否されたと聞きます。
私共はこれらの件に関しまして、合衆国国務省が貴政府に申し入れを数多く行い、その度ごとに貴政府から上告審理は慎重かつ徹底して行われるとの旨、御回答を頂いたと伺っております。しかしながら貴政府は、成都駐在の合衆国領事館による控訴審理監視の申し入れを、全て拒否なさいました。

私共は、これら被告に対する裁判手続きが国際連合の定める最低基準を満たしておらず、またこれらの者達が拘留中に不当な扱いを受けていると聞き、深く憂慮致しております。とりわけ拷問の話を耳にして、これら個人の健康状態を深刻に懸念致しております。これらの審理の扱われ方から申しまして、これらの起訴が政治的な性質のものであると信じざるを得ません。そのような裁判手続きの濫用は、国際社会へ加わろうとする貴国のご尽力を損なうものでありますし、米中関係の負担ともなるものであります。さらに私共は、これらの者達につきまして懸念を表明しました合衆国政府代表者に対して、貴国政府は誠実さを欠いた扱いをなさっておられるかもしれない、との報告も聞いておりまして、心配致しております。そのようなお取り計らいは、良好なる米中関係の一助となるものではありません。

私共は閣下にこれらの事件を再審理していただき、またその際には、拷問や不当な扱いからの自由、恣意的な逮捕もしくは拘留からの自由、そして独立かつ公明正大なる法廷における公開かつ公平なる審理を受ける権利、といった項目を含む、最低限の審理手続きの保証を与えられますよう、強くお願いするものであります。また私共は、貴国政府にテンジン・デレク・リンポチェとツェリン・トントゥプの減刑と、現在この件で拘留中の者達の釈放をも訴えるものでございます。このように人道的に振る舞われれば、人権問題について貴国との双方向の対話ならびにその他両国の懸案事項につきまして、我が政府も貴国の誠実さへの信頼を回復するものでございましょう。

この火急を要する問題への早急なるお心遣いに感謝いたしますとともに、温かい御配慮を賜りますよう、お願い申し上げます。