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朱鎔基中国首相「パンチェン・ラマ」に会う

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2002年8月2日
デイリーメール&ガーディアン

(北京)中国の朱鎔基首相は先日チベット視察を終えたが、論議を呼んでいる中国が認めたパンチェン・ラマ少年と会談し祝辞を述べ、さらに中国のチベット政策が「正当である」と語ったと人民日報が伝えた。亡命チベット人社会からその権威について論議を起こしているこのパンチェン・ラマ少年は、チベット訪問が今回で2度目の朱首相が北京に戻った際に会ったという。

「チベットは中国の譲ることのできない一部であり、現在、経済成長と社会的な安定を享受しており、人々は幸せな生活をおくっている」と朱首相が少年ラマに語った言葉を人民日報は引用している。さらに朱首相はこう続けた。

「歴史と現状は、中国共産党が正しい民族および宗教政策を敢行し、民族および宗教問題に成果を収めたことをあらわしている」と朱首相は述べた。

この少年ラマはラサとシガツェにある僧院の両方を13回目の誕生祝賀の一環として周遊したという。

中国政府によって選ばれたこの少年が正当なパンチェン・ラマ11世であるかをめぐって中国と亡命チベット人社会との間に深刻な意見の相違がある。1995年、亡命中のダライ・ラマは、当時6才のゲドゥン・チューキ・ニマ少年を1989年に亡くなったパンチェン・ラマ十世の転生者として選んだ。このことに刺激された中国政府はすぐにギャルツェン・ノルブ少年をパンチェン・ラマの転生として指名し、宗教的職務や教育も含め厳密にギャルツェン・ノルブ少年の活動を制限する一方で、自分たちの選んだパンチェン・ラマの正当性を吹聴してきている。ところが、ギャルツェン・ノルブ少年は今までをほとんど北京で過ごしてきており、これは一般チベット人が少年を精神的指導者とみておらず反感をもっていることの反映であるとチベット亡命政権は糾弾している。

また、中国政府はダライ・ラマが認定したゲドゥン・チューキ・ニマ少年を軟禁状態にしており、メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官らが少年とその家族 に直接会わせるよう要求しているが、中国政府はこれをかたくなに拒んでいる。中国は1951年にチベットに侵攻して以来、しばしば圧制を敷き、弾圧と漢民族移住を通じてチベット文化を根絶やしにしようと目論んでいるとの非難がある。チベットの急速な現代化については、地区の人々に多くの恩恵をもたらしたと北京は主張しているが、複数の人権団体はチベットの遺産を破壊するものだとして非難している。