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国連人権委員会: 中国は人権尊重に努力すべきである

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2001年8月9日
ジュネーブ(ラスベガス・サン)

国連の人種差別に関する委員会は、中国が、チベットその他地域における少数民族の人権を保証するべく一層の努力をすべきだと語った。

国連人種差別撤廃委員会は、反差別国際協定の遵守状況を調査しているが、少数民族の人権に関する中国政府の報告書に関して、2日間にわたる聴聞会の後に、木曜、結論を発表した。

委員会は、中国は中国国内の少数民族が経済開発計画によって利益を受けているとする主張を裏付けるためには、もっと多くの情報を提供する必要があるとした上で、少数民族の宗教上の自由と教育に関する憂慮を表明した。

委員会は、「少数民族に属する人々、特に新疆とチベットの人々の宗教的自由に関して、依然として憂慮している」と述べた。

チベット族のほとんどは仏教徒であり、中国西端の新疆ではイスラム教徒が優勢である。

「固有の宗教は、少数民族のアイデンティティーとして重要である」と、国連委員会は語った。

また「少数地域の、特にチベットに重点を置いた、教育への権利における差別の連続レポート」の例を挙げ、「中国人と同様に、全ての少数民族地域の子供達が彼らの言語や文化についての知識を深める権利があるということを保証すること」を中国に推奨した。

中国の12億の人口の92パーセントは漢民族である。一方で、チベット民族、モンゴル民族、ウィグル民族、朝鮮民族、土家(トゥチャ)民族を含む少数民族は、約1億900万人にのぼる。

先週の聴聞会において、喬宗淮中国国連大使は、「中国は多民族の統合国家であり、全民族間の相互尊重と共存は、中国の重要な伝統である」と語った。

中国側の報告書は、全国民は平等であり差別を禁じるとする憲法を引用していた。しかし、喬大使は、差別撤廃は「難しい仕事」であり、「継続的な努力」が必要であると述べた。

少数民族の人口が多い地域では、民族の言語教育を奨励していると、中国側の報告書は主張した。それによると、少数民族に対しては、中国の厳しい家族計画法が「柔軟に」適用されているため、少数民族の人口は漢民族人口よりも急速に増加しているとした。

中国側報告書は、少数民族は、政治的にも代表が選出されて尊重されているし、宗教と文化も尊重されていると述べていた。

同報告書は、中国の西部開発計画に言及して、少数民族が多数居住する地域に道路網と鉄道網を拡大するこの計画は、少数民族居住地域を貧困から救済しようという政府の決意を証明するものだとした。

国連委員会は、中国政府の主張の根拠となる情報をもっと提供するよう要請した。人権擁護活動家たちは、この開発計画は、少数民族にはほとんど利益になることはなく、むしろ、チベットと新疆のような難しい地域を政府が支配するために利用されていると主張している。