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中国政府、チベット人作家のオスロでの フリーダム・アワード受賞式参加を妨害

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(2008年3月5日 Phayul.com 

(オスロ)ノルウェーのチベット支援団体によると、中国語で作品を執筆している影響力の強いチベット人作家のツェリン・ウーセルさんが、「Freedom of Expression(表現の自由)」賞の授賞式に参加するために中国国内からノルウェーの首都オスロへ出国しようとしたところ、中国当局によって拒否された。

2007年12月、ノルウェーの作家協会は、ウーセルさんを2007年の受賞者に選んだ。授賞式は、2008年3月8日にオスロで行われる同作家協会の会合にて行われることになっている。

ノルウェーのチベット支援団体のチュンダク・コリアン氏によると、「中国当局は、作家協会の授賞式に招待されたウーセルさんのパスポートを発行しないことで、ウーセルさんの授賞式参加を阻止しました」という。

ウーセルさんは、チベット国内の現状について書いた政治的な著作が原因で、2003年以来、中国当局によって仕事や自宅、チベット国内での移動の自由、パスポートなどを奪われ、北京で軟禁状態に置かれている。

ウーセルさんの夫の王力雄氏が、彼女の代わりに授賞式に参加する予定。10万クローネ(約200万円相当)の賞金と表彰状が授与されるという。

ノルウェーのチベット支援団体は3月9日に王力雄氏と会談し、同氏とチベットや東トルキスタンの情勢について意見交換をする予定だ。

小説家・エッセイストとして有名な王力雄氏もまた、中国当局と中国の政治状況について執筆した批評が原因で、中国当局から迫害と嫌がらせを受けている。同氏は過去に広範囲にチベットを取材し、チベット情勢に関する本を数冊執筆している。

王力雄氏とウーセルさんは、過去に共同で「Unlocking Tibet(チベットの解放)」と題した本を執筆している。

ウーセルさんは近年、ダラムサラを拠点とするチベット人ジャーナリスト団体から、「言論の自由」メダルを授与されている。

ツェリン・ウーセルさんについて


ウーセルさんは2004年以来、仕事を失い、中国当局の監視下に置かれており、中国を出国する権利も奪われている。これは、2003年に広東省で刊行された短編集「Notes on Tibet」の中で、彼女が積極的にダライ・ラマ法王に言及したことが原因とされている。ウーセルさんが現在生活している北京で執筆しているブログには、中国当局からの度重なる妨害にもかかわらず、30万人以上の人々がアクセスしている。

ツェリン・ウーセルさん