2024年10月30日
中国政府は国家の統一を妨げるとして、中国国内のチベット人と国外との連絡を制限している。
-ラジオ・フリー・アジア(Radio Free Asia)の記事より

中国当局は四川省のンガワ県でチベット人4人を逮捕した。そのうちキルティ僧院の僧侶1人は、国外に奉納の祈りを捧げたとして、また、一般の信者2人は中国国外のチベット人と連絡を取っていたとして告発されている。これらは、二つの情報筋がラジオ・フリー・アジア(Radio Free Asia、以下RFA)に伝えたものである。
9月初旬の逮捕の直前には、ンガワ県のキルティ僧院とゾルゲ県のラモ・キルティ僧院にて僧院学校が立て続けに閉鎖されている。これにより、6歳から17歳の1,600人以上の生徒が、僧院の学校から中国政府に管理された“植民地的”寄宿制学校に強制的に転校させられており、キルティ僧院の学校閉鎖によって1,000人以上の生徒が影響を受けたとされる。
学校閉鎖後、中国当局はンガワ県のチベット人に対する監視を強化しており、国外との通信等に対し厳しい制限を課している。
「7月の学校閉鎖後、中国共産党の中央統一戦線工作部の高官が数か月にわたってンガワ県に駐在し、僧院および地域コミュニティに対してさらに厳格な統制措置が行われた。」と、最初の情報筋は匿名を条件にRFAに語った。
9月に逮捕された4人のうち、2人はキルティ僧院の僧侶であるロプサン・サムテン氏(53歳)とロプサン・ティンレイ氏(40歳)である。サムテン氏は祈りを捧げる目的で国外にいる者に連絡を取った容疑で逮捕され、ティンレイ氏の逮捕の容疑は不明だという。
中国政府はチベット人と国外にいる家族・友人らとの連絡は国家の統一を妨げるものとみなし、強く制限している。
これに対し、チベット人は中国当局による監視を非難し、当局がチベット人の人権を侵害しており、チベット人の宗教的、言語的、文化的アイデンティティを根絶しようとしていると主張している。※詳しくはこちらからお読みください。
(翻訳:Naoko T.)