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中国との話し合いが建設的であれば、ダライ・ラマ法王はオリンピック出席へ

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(2008年5月22日 Phayul.com )

5月21日、ダライ・ラマ法王は、中国当局からまだ招待されてはいないが、チベットの平和に関する話し合いが建設的であれば、北京オリンピックに出席するだろうと述べた。

今回の英国訪問の2日目、議会下院での満員の記者会見において、亡命中のチベット指導者ダライ・ラマ法王は、8月に始まるオリンピックへの法王の出席を望む中国当局者がいるが、6月中旬に予定されている次回の交渉において平和に向けた進展があった場合のみ出席するだろうと述べた。
「招待については何もわからない。中国側にはわたしを出席させたい人がいる。話し合いが具体的で、建設的で、チベットの状況が改善されるとしたら、そして長期的な解決が見いだせれば、わたしは出席する用意がある」。

またオリンピックを、特に聖火リレーを支持すると述べ、世界中で聖火リレーに付いて回った混乱と抗議を終わらせなければならないという呼びかけを繰り返した。「特にチベット人には聖火を妨害してはならないと訴えます。わたしは当初からオリンピックへの支援を表明していましたが、聖火はそのオリンピックの一部です。わたしたちは聖火を守らなければなりません」。

ダライ・ラマ法王は、中国が交渉に真剣だったのか、それとも単なる「オリンピックのためだけ」のポーズだったのかが秋にははっきりするだろうと述べ、それを「見守る必要がある」という考えを示した。

3月にチベットで起きた抗議活動はだれの責任かという、世間の注目を集めている激しい論議がダライ・ラマ法王と中国当局の間にはある。中国支配に対する僧侶のこの抗議は、中国政府にとって1989年以来もっとも重大な問題である。抗議活動は拡大するにつれて一般市民をも巻き込み、首都ラサでは大規模な蜂起があり、また一定の規模のチベット人コミュニティのある各地における暴力行為も報道された。

チベット・ソサエティとチベットのための超党派議員団の主催したさまざまな問題に関する質疑応答の集会で、ダライ・ラマ法王は、英国が中国とのより緊密な結びつきを求める中でもチベットのことを忘れないよう強く求めた。

「経済は重要ですが、人間の価値のほうがより重要です。人権や環境問題など、より重要な問題がたくさんあります。ビジネスの分野やビジネスの利益において緊密な関係を結ぶからといって、原則を忘れてしまっては意味がありません」。

そして、誤りと欠陥を指摘して悪を非難してくれるよい友人は、秘宝の秘密を明かしてくれたと同様に尊敬されるだろうという仏教の格言に、英国は中国との関係において注目すべきであると述べた。「中国の孤立にはずっと反対でした。これはよくないことです。中国は尊敬すべきたいへん重要な国です。友好的な態度で友人の誤りを明らかにすることは大切です」。
また、ゴードン・ブラウン首相が首相官邸ではなく英国国教会カンタベリー大主教の公邸でダライ・ラマ法王との会談を行ったことは、法王を冷遇してのことではないかとの見方については、これを否定した。