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中国がチベットの首相候補をテロリスト呼ばわり

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(2012年3月22日 ダラムサラ プルブ・ティンレ)

2011年3月20日月曜日にチベット亡命政権の次期首相選挙が行われた。その選挙において次期首相の最有力候補とされるハーバード大卒のロプサン・サンゲ博士(43歳)を中国は「テロリスト」であると断定した。

中国共産党の体制側のメディアである人民日報は、「テロリストがチベット亡命政権の長に?」、と題した記事のなかで、サンゲ博士がかつてチベット独立を主張するチベット青年会議(TYC)の役員だったことを挙げ、彼をテロリストと断定した。

「チベット亡命政権は3月20日(日)の選挙で今後の政治的指導者となる新首相の選出を行った。選出される首相はダライ・ラマ法王の陰に隠れる形で任務を行うことになるが、最有力候補のロプサン・サンゲはハーバード大学で教育を受けており、国民の人気が高い。

ロブサン・サンゲはインドで生まれ育ち、チベットに足を踏み入れたことはない。1992年、彼の名は有名となり、テロリスト組織の性格をもつチベット青年会議(TYC)の主要メンバーとなった」 と、人民日報は伝えている。また、事前見通しによれば、彼が新首相に選出される可能性が高い、としている。

人民日報は、チベット青年会議を2008年3月、中国のチベット支配地域で起きた抗議行動の「直接の立案者」として糾弾し、「この犯罪により、チベット青年会議は、アルカイーダ、チェチェンの武装テロリスト、東トルキスタンの分離主義者にも類される組織となった」、としている。

チベット青年会議はこうした中国政府の糾弾を完全に事実無根なものとしている。

「亡命チベット人は、ダライ・ラマ法王を長とした在インド亡命政権の新『首相』の選挙を日曜日に行った。この選挙に対し、インド、ネパール、ブータン、米国、欧州諸国、オーストラリア、日本、ロシアをはじめとする国々に在住する83,399人の亡命チベット有権者が、次期首相候補および、定員44人の『チベット亡命政権議会』議員候補について投票を行った。選挙結果が出るのは4月27日だが、欧米メディアの下馬評では、ハーバード大卒の43歳のロブサン・サンゲが最有力である」と、人民日報は伝えている。

新聞は、ダライ・ラマ法王が、「チベット亡命政権の政治的指導者としての役割から公式に身を引く」とした先の発表を重視して、この発言は、新世代の政治指導者が選出される前にそれを行ったことで、自らが長年指揮してきたチベット運動をさらに強化する意図があった——としている。

「おそらく、『チベット亡命政権』を指導する新世代の指導者は、『チベット独立』を、以前よりも過激で極端な方向に解釈し、望む結果を得るためにがむしゃらな手段をとるであろう。彼らは、民族間の不和の種を巻き続け、チベット民族と中国とのあいだの対立の焔に火をつけるであろう」——人民日報はこのように述べている。

しかしながら新聞は、「ダライ・ラマ法王は、引退発表したからといって、亡命チベット人の指導者であることを辞めるわけではない。ダライ・ラマ法王は、地球上を練り歩いてロビー活動を行い、『チベット独立』『大チベット実現』という、自らの野心を実現のために支持者を動かすことが出来る唯一の人物である。1960年代から亡命チベット人を指導してきたダライ・ラマ法王は、自らの政治権力の放棄を公式発表することで、『チベット運動』の権威と信認を高め、これを『チベット独立』につなげようとしているのだ」、としている。

中国共産政権は1949年にチベットを不法に軍事占領した。その10年後、絶対的指導者として敬愛されているダライ・ラマ法王を追い、数千人のチベット人が亡命。ヒマラヤの母国における完全なる自由の回復のための一方策として、チベット亡命政権を打ち立てた。

1960年代はじめより、ダライ・ラマ法王はチベット人の前進を目的とした民主改革を推進している。

現在、会期中にあるチベット亡命政権議会は、ダライ・ラマ法王から選出される政治的指導者への円滑な権限委譲を推進するための憲法改正の方策を21日月曜日に討議した。また、議会は、この問題を解決するため、高度の委員会を発足させ、その長には首相が就任することとした。

同委員会は23日水曜日に報告書を提出。その報告書をもとに、今後、議会で討議が行われる見通しとなっている。


(翻訳:吉田明子)