ニュース

ニュース

最新ニュース

これから開催するイベント

中国、チベットにとっての記念的大悲劇を自慢する

Print Friendly, PDF & Email

2001年7月25日
ジ・オーストレイリアン紙

その半世紀にわたるチベット占領を祝った記憶もさめやらぬ内に、中国政府は現在亡命中のチベット人の指導者ダライ・ラマの住居であったポタラ宮殿の敷地内に、人民解放軍の記念碑を建てる計画を公表した。

11月には完成される筈の35メートルの高さの記念碑は、「人民解放軍の崇高な精神とチベットの平和的開放に対する偉大な貢献とを表現することになるだろう」と国営新華社通信は語る。

その記念碑は、何百年もの間チベット人から、彼らの精神的政治的指導者と見なされてきた歴代のダライ・ラマの夏の居所であったポタラ宮殿の外側の広い敷地に建つ事になっている。

その計画はチベット亡命政権から直ちに、公然と非難を受けた。中国による占領は、チベットの人々に50年に及ぶ苦難をもたらしたと、チベット亡命政権は語る。

「こうした企ては、全く不見識もはなはだしい。何故なら、ポタラ宮殿はチベット人にとって、特別の意味を持っているからです」とダラムサラのチベット亡命政権のスポークスマン、トゥブテン・サンペルは語った。

「中国政府がポタラ宮殿に記念碑を建てるというのは、チベット人民を納得させないでしょう。彼らは侵攻をチベットに開放をもたらしたと見るかも知れないが、チベット人の視点から見れば、それは、数え切れない苦しみの50年であったのです」と彼は言った。

スチールとコンクリートで強化された「チベットの平和的開放記念碑」はラサ市政府が企画したもので、6百万元(120万ドル)掛るだろうと南京の南西大学の10人から成る設計チームの一人は匿名で、昨日、記者に語った。山の頂のような形で、花崗岩で仕上げを施され、その記念碑は「チベットの自然の美しさ」を表現するものになるだろう。その他に、照明と付属の彫刻に百万元が掛かるだろう、と彼は語った。そして、この設計にはチベット人は一人も参加していないと付け加えた。

この新華社の報道は、人民解放軍のチベット侵攻後チベット・中国両国政府間で交わされた、17箇条協定の署名を記念する5月23日の祝賀会に続いて発表された。

チベット亡命政権によれば、祝賀行事は記念日と一緒に実施される予定だったが、中国がチベット支配を正当化する為に使ってきた、そして、ダライ・ラマが亡命先でその無効を宣言した条約を非難する内容のポスターがラサに出現した為に、治安に関わる為、延期されたということだ。

1985年から1992年まで、チベット共産党書記の地位にあり、江沢民の後継者と大方から目されている、中国国家副主席の胡錦涛はこの大規模な祝賀行事を監督し、いつものしきたりに従って、ダライ・ラマを非難する事を忘れなかった。

「ダライの一味と世界中の反中国勢力によるチベット分離活動に対し、断固として戦い、チベットの安定と統一を力強く推し進め、民族の統一と国家の安定をしっかりと自衛することが急務である」と胡錦涛は演説した。

資源の豊富な地域を開発し、そこに漢民族を住まわせようという北京政府の計画はチベット文化を損なうものとして、ダライ・ラマの亡命政府により非難されてきた。

ダライ・ラマは、北京政府の移住政策は、今後30年間に2千万人に及ぶ中国人をチベットに入植させるだろうという懸念を表明し、主要な開発計画として大げさに宣伝している、チベットを中国内部へ結び付ける為の3本の鉄道建設計画を非難した。