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ラントス議員、 中国刑務所からのチベット人解放に賛辞

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2002年4月4日
米国下院国際関連委員会マット・ゴバッシュ民主党報道担当官

中国高官に対するラントス下院議員の要請を受けて、
タナク・ジグメ・サンポ解放

米国下院国際関連委員会のラントス議員(民主党、カリフォルニア州)は、中国当局が73歳のチベット人タナク・ジグメ・サンポを、本日チベットのダプチ刑務所から治療のために仮釈放したことに賛辞を送った。同日、ラントス下院議員はクラーク・ランツ米国駐中大使より、中国がラントス下院議員の要請を受け入れ、タナクを2002年3月31日の日曜日付けで解放したとの知らせを受けた。

ラントス下院議員は次のように語った。
「私は人道的な立場から中国がタナク・ジグメ・サンポを解放したことに感謝し、病気のチベット人が晩年を自由に楽しめることになり、救われた思いがしている。私はこの件に特別な関心をもっており、中国の高官に対して個人的にあるいは文書を通じて何度も実情を訴えてきた。中国が示した人道的な姿勢に対し深く感謝している。また、タナク・ジグメ・サンポの自由を守るために努力したクラーク・ランツ大使や人権活動家ジョン・ケイムに感謝したい。28年間も刑務所暮らしをしてきたタナクは、チベットでも最も長く刑に服役してきた政治犯である。私は中国に対し、政治犯の釈放を今後も継続していくよう要請し、中国が市民に対して人権を保証していくよう望むものだ」

ラントス下院議員は今年1月の訪中時に、中国副外相の李肇星および国務院副総理の李嵐清と一対一の会談を行い、タナク・ジグメ・サンポの事例をとりあげた。その後、米国へ帰国の途にあったラントス下院議員は、李肇星副外相からの電話を受け、中国が議員の要請を受け入れ、タナクを解放する準備をしているとの知らせを受けた。議員はチベットにいたタナクに手紙を送り、彼が刑務所を離れ、チベット文化・社会に対する国際的な理解に貢献するようながした。また、ラントス下院議員は彼を合衆国へ招聘した。

タナク・ジグメ・サンポは1926年に生まれ、1952年から1965年までラサにある第一学校と第三学校で教鞭をとっていた人物。1964年、生徒に体罰を与えたとして、3年間の「労働再教育」に服すよう宣告された。1970年、中国のチベット占領に対する反対運動を扇動したとして、10年間の重労働刑を求刑される。さらに1983年、中国政府は「少数民族の分離」を唱えたとして15年間の実刑を宣告。タナクはこれに対し獄中から抗議を続け、1988年には5年間の刑期延長、1991年にはさらに8年間の刑期延長が言い渡された。彼の刑期は2011年までとなり、その時点でタナク・ジグメ・サンポは81歳になるはずだった。