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チベット本土のチベット人のための特別法要における、カロン・ティパ(内閣首席大臣)の声明

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60年前に中国共産党がチベットに侵攻して以来、チベット人は言語に絶する苦しみに耐えてきました。

中国政府はプロパガンダを流していますが、それはチベットの現実とは異なるものであり、実際に中国政府が行なっていることは、チベット独自の文化・宗教・言語・自然環境の組織的破壊と植民地化です。ゆえにチベット人は中国政府に対する平和的デモ行進を繰り返し行なってきました。とりわけ2008年には、チベット全地域のあらゆる職業・年齢の男女が中国政府の支配に対して立ち上がり、チベットの自由とダライ・ラマ法王のチベット帰還を要求しました。その要求は中国指導部のみならず、国際社会にも周知されるところとなりました。

しかし残念なことに、中国政府は事実から真実を見出すことをせずに強硬姿勢を維持し続け、チベット人を絶望的な状況に追い込んでいます。とりわけチベット僧院に対する締め付けは強硬であり、いわゆる工作部隊を僧院や尼僧院の内部に送り込み、政治的教化を進めています。このような抑圧的な政策の結果、今年の3月以降、ンガバ(Ngaba)、タウ(Tawu)、セルタル(Serthar)といった地域が危機的状況に直面しており、大勢のチベット人が拘束・逮捕・収監されています。そして9人の若者が、中国政府の強硬姿勢に対する抗議と、チベットの自由とダライ・ラマ法王のチベット帰還を求める意志を込めて焼身自殺をはかりました。

3月16日にンガバのキルティ(Kirti)僧院の僧侶ロブサン・プンツォック(21)が焼身自殺をはかって以降、8月15日にはタウのニャツォ僧院(Nyatso)の僧侶ツェワン・ノルブ(29)、9月26日には同じくキルティ僧院の僧侶ロブサン・ケルサン(18)とロブサン・クンチョク(19)、10月3日にもキルティ僧院のケルサン・ワンチュク(17)が焼身自殺をはかりました。また10月7日には、キルティ僧院の元僧侶であったカイン(20)とチョーペル(19)が、10月15日には同じくキルティ僧院の元僧侶であったノルブ・ダムダルが焼身自殺をはかりました。さらに10月17日にはンガバのデチェン・チョコリン(Dechen Choekhorling)尼僧院の尼僧テンジン・ワンモ(20)も焼身自殺を遂げました。

内、5名が亡くなりました。残りの4名については安否も所在も不明のままです。そのような状況から、カシャック(内閣)は、チベット問題の解決のために自らの命を犠牲にしたチベット人、とりわけ炎の中に自らの命を投じた若きチベット人とそのご遺族、チベットで抑圧に直面している同胞との連帯を表明し、本日、一日かけて特別法要を執り行なうこととなりました。

彼らの勇気に敬意を表すとともに、彼らの不屈の精神と連帯していることを表明したいと思います。

中央チベット政権の依頼に応え、世界中の亡命チベット人がそれぞれの場所で彼らへの敬意と連帯を表明しています。これについて内閣は亡命チベット人と支援者の皆様に対し、各々の地域の法律に則って平和的にこれを行なっていただきますようお願い申し上げます。

この場を借りて、内閣は中国政府に対し、チベットにおける抑圧的な政策を即刻中止し、平和的方法でチベット問題の解決を図るよう要請します。また国連に対し、チベットで行われていることの事実を調査するための代表団をチベットに送ってくださるようお願い申し上げます。さらにメディアのチベット取材の自由が許され、国際社会がチベットで起きていることの真実を知ることができるよう求めます。

この度の特別法要を執り行なうとともに断食を行なってくださったダライ・ラマ法王に、心からの感謝を捧げます。また、ギャルワ・カルマパ猊下とカサール・キルティ・リンポチェに感謝を捧げますとともに、本日ご参加いただいたすべての皆様にお礼申し上げます。

最後に、チベットにいる同胞との連帯を表明し、チベット問題が一刻も早く解決するよう祈念申し上げます。


(翻訳:小池美和)