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チベット仏教高僧、健康を害した姿を中国の獄中で目撃される

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(2014年8月29日)

ダラムサラ:チベットの精神的指導者として崇められていたトゥルク・プルブ・ツェリン・リンポチェ(別名パングリナ・リンポチェ)が中国成都市近隣の刑務所で弱々しい姿で目撃されたとダラムサラに拠点を置く人権団体、チベット人権民主化センターが伝えている。

この情報は、リンポチェが別の囚人を訪ねているところを見かけたチベット人がこの団体に伝えたもので、「かなり弱ってやつれた状態だったので、最初はリンポチェだと気付かなかった。獄中での扱いが良くないようだ」と話したという。

この知らせを受け、地元チベット人たちはリンポチェの健康状態を案じている。

現在53歳のリンポチェは2008年5月18日に中国当局に拘束された。当局はこの拘束の理由を明らかにしていないが、ダライ・ラマ法王に揺るぎない信心を抱いていることが理由だと地元チベット人たちは考えている。

「リンポチェが2002年に僧侶たちやヤツェク(Yatseg)尼僧院とパングリナ尼僧院の尼僧たちを率いてダライ・ラマ法王のご長寿を祈願する式典を行った際、中国当局はリンポチェが分離活動に傾倒していると訴えた。尼僧たちはさらに尼僧院での「愛国教育」と、ダライ・ラマ法王を非難する内容の書類への署名を拒んだ」と情報筋は伝えている。

中国の警察当局がリンポチェの居場所を明かしたのは拘束から数か月たってからのことだった。その間、中国当局はヤツェク尼僧院とパングリナ尼僧院で厳しい取り締まりを行った。リンポチェはカンゼ・チベット族自治州(中国四川省)にあるパングリナ尼僧院、ヤツェク尼僧院の精神的指導を行う筆頭ラマであり、尼僧院長を務めていた。

リンポチェの情報は、2009年12月23日に康定県の中級人民法院が武器の所有の罪で8年6か月の懲役刑を課して、はじめて明らかになった。


(翻訳:植林秀美)