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チベット人人気歌手と作曲家が釈放

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(2004年5月17日 ラジオ・フリーアジア)

中国政府当局は、4月3日に逮捕したチベット人人気歌手のナムカと僧侶で作曲家のバコチャのふたりを2ヶ月間の拘留の末、釈放した。両名の親戚は、拘留中、二人が拷問を受けることはなかったと述べた。

匿名を希望する複数の情報筋によれば、中国の治安部隊は、5月5日前後に、チベット語でカワスムド(中国語で同徳《トンデ》郡)からおよそ10km程離れた場所で2人を開放したという。ある情報筋がラジオ・フリーアジアに伝えた情報によれば、家族のグループと僧侶や友人たちが2人を出迎えたとのことである。

しかし、拘留されていた2人のいずれも拘留中の詳細な様子や拘留場所等についての正確な情報を明らかにしていない。また、複数の情報筋によれば、ナムカは釈放された時点で肩を負傷していたにもかかわらず、彼等の親戚は、2人が拘留中に拷問を受けたことを否定している。ナムカの親戚は、彼の現在の健康状態についてコメントすることを避けるとともに、電話でも直接応対することはできないと述べた。逮捕の際に黙想期間中にあったバコチャについては、すでに黙想を再開したと伝えられている。

「ナムカとバコチャの逮捕は、地域の僧院と地域社会を結束させた」とある情報筋は伝えており、「このエリアには4つの僧院があるが、それぞれの僧院が2人の釈放を祈る会を組織した。地域社会も彼らのために固く結集した」という。別の情報筋は、「2人は釈放後も中国の治安当局による継続的な監視下にあり、いくつかの追加的な制約のもとにあるように見受けられる」と伝えている。詳細については直ちに明らかにはならなかった。

2人は、3月10日ごろ、伝統的にはチベットの領土であり、現在は中国の青海省に属するトンデ郡で逮捕された。彼らの音楽が「反政治的内容を暗示する部分を含む」ことが逮捕の理由である。伝えられるところによれば、中国の州治安当局は同様に、ナムカがリリースしたCDのすべてを没収した。また地域の僧侶に対して、今後も所持が発覚すれば「厳重な処罰を与える」と警告したと伝えられている。

『ツェンポ・ポイニャ(王の使い)』という曲には、「いとしいチベットの若者たちよ/チベットに取り残された人々よ、臆してはならない/誇りを持って立ち上がろう/私は王の使いだ」という歌詞で始まる。また別の曲『アムド・ポ・ゴエ(勇敢なるアムドの男)』も当局の怒りを招いたらしい。

2人は中国青海省の遊牧地域出身のチベット人で、バコチャはトンデ郡のバ・シャンツェ寺院の僧侶である。