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チベット亡命政権議会から 福田康夫日本国内閣総理大臣へのアピールレター

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(2008年7月28日 チベット亡命政権議会)

日本国内閣総理大臣
福田康夫殿

拝啓福田内閣総理大臣はじめ日本のみなさまが、チベットの人々の人権擁護を確保すべくダライ・ラマ法王が取り組んでおられる非暴力の道にご理解とご支援を賜り、我々、チベット亡命議会は心からの感謝を申し上げます。

北京五輪開会式に向けてのご出発にあたり、チベット亡命議会は、チベット祖国内外のチベット人を代表いたしまして、以下のことをお心にお留めいただけましたなら幸いに存じます。

1. チベットでは戒厳令下同様の状況が現在も続いております。チベット本土からの信頼できる情報や中国共産党指導部の声明から判断するに、我々は、北京五輪の終了後こそ中国軍によるチベット掌握および弾圧が悪化すると考えてまいりましたが、2008年7月13日のSunday Time紙(香港)において、マイケル・シェリダン氏が「北京五輪を控えた中国は世界中の世論を勝ち取るために穏健な姿勢をとっているかに見えるが、チベットにおける厳しい政治的弾圧を計画していることが中国共産党の内部書類から明らかになった」と報じ、我々の見解がさらに確固たるものとなった次第です。

我々は引き続き中国政府に対し、チベットの現状を世界中の人々の目に見えるかたちにし、チベットの人々の苦悩の解決に全力で取り組むよう呼びかけていく所存です。中国は、ダライ・ラマ法王やチベットの人々に関する偽りの主張をやめるべきなのです。

2. ダライ・ラマ法王の特使と中国政府の代表者との対話にご高配を賜り、感謝申し上げます。しかし残念ながら、第7回目の協議がチベット問題の解決に結びつくとは今のところ思われません。

チベットの人々は、分離独立も経済的恩恵の共有拡大も求めていません。我々チベット人の心からの願いは、古来チベットであった3つの地域(ウーツァン、カム、アムド)において、チベット人がチベット人のアイデンティティを維持することが許される真の自治なのです。チベット人が伝統的に生活の中心としてきた信仰を自由に持つことが許され、基本的人権が擁護された中華人民共和国の国民とおなじように差別なく扱われることが許される中華人民共和国の在りかたを求めているだけなのです。

どうか北京をご訪問の際には、ダライ・ラマ法王によって唱導された「対話」をご称賛いただき、対話を通してチベット問題の永続的な解決策をみつけるよう中国指導部にご提言いただきますようお願い申し上げます。

3.視察団および独立したメディアをチベット地域に派遣いただきますようお願い申し上げます。それが、人間としての尊厳と法律の遵守にお力添えをいただくことになるからです。また、「自由と人権」という強い声を携えて北京五輪開会式にお臨みになられてこそ、北京五輪がさらに権威あるものになると我々は確信いたしております。

北京五輪の成功を心よりお祈り申し上げております。

敬具

2008年7月28日

チベット亡命議会副議長
ドルマ・ギャリ