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チベットは混乱のないオリンピックを望む

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(2008年7月24日 TibetNet )

ダライ・ラマ法王特使ロディ・ギャリ氏は「北京オリンピックが無分別な妨害を受けることなく開催され、中国が国家としてさらに自信をつけることはチベット人にとってもよい結果をもたらす」と述べた。
ロディ・ギャリ氏によれば、ダライ・ラマ法王はオリンピックが中国社会にプラスのインパクトをもたらすと信じており、2001年に北京が開催地として選ばれる以前から、中国にオリンピックが来ることを支持してこられたという。

先日ワシントンで行われたインタビューの中でギャリ氏は、「私たちは北京オリンピックの成功を願っています。政治的リーダーとしての中国のためというよりは、一国家としての中国、そして一国民としての中国人のために。中国が国際社会の一員として認められ、自信をつけることは大変重要なことなのです」と語った。

人権活動家の中には、ジョージ・W・ブッシュ米大統領やニコラ・サルコジ仏大統領をはじめとする西洋諸国のリーダーが北京オリンピックの招待を受けることに対して批判的な人たちもいるが、それもまたプラスの効果をもたらし得る、とギャリ氏は言う。

「私たちは国際社会のリーダーらの北京オリンピック参加を阻むものではありません。中国の国民が世界のリーダーと共に彼らの時代が来たことを祝い、それを誇りに感じることは重要なことです」

責任転嫁の恐れ


ギャリ氏によると、チベットと中国の関係において、不安に起因した中国の傲慢さが最大の障害物となっているという。

「そこには常に例の傲慢さがあります。それは個人のレベルのものではなく国家機関としての傲慢さです」とギャリ氏は言う。

さらに彼は「中国は大国です。経済的にも政治的にもその力をさらに増しつつあります。ところがチベット問題のようなこととなると、まるで自信がないのです」と付け加えた。

中国当局が、チベット人は対話を求めて躍起になっていると言ってみたり、ダライ・ラマ法王が既に受け入れている要求を何度も繰り返してみたりするのは、そういう自信のなさを象徴していると彼は言う。

ダライ・ラマ法王はあらゆる暴力を非難し、中国がオリンピックを主催することを支持し、オリンピック開催中は抗議行動を控えるようチベット人に呼びかけてきた。

この春に起きた一連の抗議行動の結果、チベット高原一帯は徹底的な取締りを受けることとなり、それは今なお続いている。それを考えれば、チベット人がオリンピック開催中に無分別な妨害がなされないことを切に願っていることは明らかだ、とギャリ氏は語った。

「いかなる妨害が生じたとしても、特にチベットがそれに少しでも関わっていれば、責任転嫁する機会を中国当局に再度与えてしまうだけでしょう」とギャリ氏は言った。

ロディ・ギャリ氏 (写真右)