2025年6月2日

東京:ペンパ・ツェリン主席大臣は、2025年6月1日、チベットに関する世界国会議員会議開催のために日本を訪問中のケンポ・ソナム・テンフェル議長、ドルマ・ツェリン・テイカン副議長、ならびにテンジン・プンツォク・ドリン議員とともに、東京でチベット人コミュニティに向けて講演を行った。
ペンパ・ツェリン主席大臣は、基調講演で、第16代チベット亡命政権内閣(カシャック)の主要な取り組みと成果について、特に長期化しているチベット・中国間の紛争解決のための政治的努力に焦点を当てて概説した。主席大臣は、チベット闘争が正当なものであることを裏付け、中央チベット政権の中道アプローチをより強固なものとするために、チベットが歴史的に独立国家であったことを国際社会に示し、証明することが重要であると力説した。また全てのチベット人がチベットの歴史的背景を学び、理解することが極めて重要であると強調した。
主席大臣は、中国との裏ルートでの連絡経路があることを指摘する一方で、政治的立場が中道であっても、あるいは完全な独立であったとしても、中国政府と直接交渉することなしには、いかなる解決も実現できないと主張した。
主席大臣はさらに、第14世ダライ・ラマ法王のたゆまぬご尽力によって、チベットの自由を求める運動は世界中で認知されるようになったと指摘した。 そして、この勢いを維持するために、亡命チベット人には、それぞれの居住国で支援運動とロビー活動継続を促し、日本のチベット人に対しては、日本における積極的な貢献とチベットの大義への連帯強化を求めた。
主席大臣は、内閣(カシャック)が実施している行政および福祉に関する取り組みについても言及し、中央チベット政権(CTA)は現在、社会福祉に最大の予算を割り当てていると述べた。また、 CTAの長期的な安定のために、亡命国の居住地に関する法的文書の最終決定に向けた取り組みが進行中であると語った。主席大臣は、職員の能力開発プログラムやチベット・デジタル図書館プロジェクトなど、いくつかの試みを紹介した。国際支援については、最近行われた米国議員との会談やロビー活動により、米国からCTAへの援助再開への期待が高まっているとの報告がなされた。
ケンポ・ソナム・テンフェル議長は、日本の国会議員、とりわけ日本チベット国会議員連盟のメンバーからの継続的な支援に対して感謝の意を表した。 議長は、日本での国会議員によるチベット支援団体招集は、もともとダライ・ラマ法王の構想であり、内閣(カシャック)とチベット亡命議会(TPiE)の協力によって実現したことを強調した。議長はこの支援団体の重要性について語り、TPiEが世界中の議員に対して継続的にロビー活動を行っていることを説明した。また、このような意欲的な取り組みの証しとして、各国議会でチベット支援決議が可決されたことに言及した。
ドルマ・ツェリン・テイカン副議長は、日本をはじめとする海外在住のチベット人に対し、チベット語とチベット文化を保存し、子どもたちに伝えていくことを最優先するよう強く呼びかけた。また、チベット事務所への継続的な支援と援助を求めた。
第17次チベット亡命議会のオーストラリアおよびアジア地域(インド、ネパール、ブータンを除く)代表であるテンジン・プンツォク・ドリン議員は、日本国内のチベット人の団結を促し、チベットの大義のために日本の支援者ネットワークを拡大する必要性を力強く訴えた。
この講演会には、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士、前代表のペマ・ギャルポ氏、ならびにチベット国際キャンペーン代表のテンチョ・ギャツォ氏も出席した。
(翻訳:麻雪)