（2011年9月11）

２００１年９月１１日のニューヨーク・ワシントンＤＣ同時多発テロから本日で１０年になります。あの日、多くの罪なき命が失われました。その衝撃は、今なお続いています。私たち人類は、憎しみにまかせて知能やテクノロジーを使うならば、かくも恐ろしいことをしてしまうのです。

私たちは９月１１日の辛い経験から学び、憎しみに屈すれば破壊に帰結することに気づかねばなりません。私はこの悲劇を通して、世界中の人々が平和的共存の精神や互いの宗教についての理解を育むことが私たちひとりひとりにとっての緊急重要課題である、という思いをいっそう強くしました。多様な宗教がより良い思いやりのある平和な社会を築いていけるよう、私たちは全力で取り組んでいかねばなりません。

２０１１年９月９日
ダライ・ラマ

（訳：小池美和）