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ダライ・ラマ法王、ドイツ・メディア賞を受賞

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(2009年2月10日)

[ドイツ、バーデンバーデン]2009年2月10日夜、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ法王は、訪問先のドイツ西部バーデンバーデンにおいて、国際社会に大きな影響を与えた人物に与えられるドイツ・メディア賞を受賞した。

これについてダライ・ラマ法王は、「このような賞をメディア関係者から戴いたことは、私にとって特別な意味をもつ」としたうえで、「民主社会において国民が真実を知るためには“報道の自由”が不可欠である。真実が伝えられなければならない」と語った。

ホテルに到着したダライ・ラマ法王は、スイス在住のチベット人によるチベットの伝統に基づいた歓迎の歌や踊りのほか、式典のために特別に招かれたリヒテンシュタインの舞踊グループによるダンスで迎えられた。

ドイツ・メディア賞の式典でチベット国歌が歌われ始めると、大画面にチベット国旗が映し出された。来賓もまた、チベット国旗を上着に留めて登場した。

ダライ・ラマ法王は演説のなかで、「人間の価値」「宗教間の調和」「チベット問題」という自身の3つの務めについて強調し、慈悲の心と決意することの重要性について詳しく語った。チベット問題については、「現在のチベットの状況は非常に緊迫している」としたうえで「チベットの文化は人類に大きな影響を及ぼしてきた仏教文化であり、チベットの文化を護っていくことは、チベット人のみならずアジアの何百万人もの人々にとっても重要なことである」と説いた。

ドイツ・ヘッセン州のローランド・コッホ首相はダライ・ラマ法王を称えて、「ダライ・ラマ法王は、史上、類い稀な人物である。ダライ・ラマ法王のご尽力により、世界中がチベット人の悲運とチベット人の非暴力の決意に目を向けるに到った」と述べた。

さらには、「現在、ラサではビルの上階に射撃手が配備され、市内にはマシンガンを持った多数の治安部隊のすがたがある。それにも関わらずこの1年間そのような映像を我々が目にしていないのは、チベット報道の門戸が閉ざされ、チベットの実情を伝える映像を流すことが許されない状況にあるからである」と語った。

ドイツ政界の重鎮であるコッホ首相はダライ・ラマ法王の20年来の友人でもあり、「次の世代にメッセージを残そうとするならば、まずは我々が平和的解決の道を支持することだ」と述べた。

2008年度のメディア賞の選考にあたったドイツの著名なジャーナリスト20名で構成される委員会は、「ダライ・ラマは、宗教間の緊張、自己破壊、儲け優先主義、人権侵害が続行中のこの時代において、和解、寛容、謙虚であること、他者を敬うことの大切さを積極的に提唱してきた。チベット人の人権を求めて非暴力の闘争を提唱し、亡命先のインドから50年間にわたって非暴力の闘争を導いてきた」と語った。

同日、ダライ・ラマ法王はイタリアのベネチアにおいても名誉市民の称号を受賞した。

ダライ・ラマ法王のインド、ニューデリー帰着は11日となる。


(翻訳:小池美和)