2025年7月7日

東京:本日、東京のオークラホテルにて、チベット人および日本人が、ダライ・ラマ法王の90歳の誕生日を、深い敬意をもって盛大に祝いました。中国、ウイグル、香港のコミュニティの人々も、この祝賀会に参加しました。
開会の祈りは、ポタラ・カレッジのゲシェ・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ師がチベット人と共に導き、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士が、法王の肖像が掲げられた祭壇に、五体投地、カタ、マンダラを捧げました。
アリヤ代表は、来場者を歓迎し、感謝の意を表しました。そして、ダライ・ラマ法王の健康状態が良好であること、また法王の転生に関する声明について説明しました。法王は、「ダライ・ラマ制度は今後も継続し、将来の転生の認定権限はガンデン・ポタン信託財団のみにあり、他のいかなる個人・団体にも干渉する権利はない」と、明言されています。
アリヤ代表はまた、中国共産党(CCP)のプロパガンダや偽情報に惑わされないよう警鐘を鳴らしました。そして、先月開催された第9回チベットに関する世界国会議員会議(以下、WPCT)が成功裏に終了したことを報告し、会議を支えてくれた日本の国会議員支援グループ、チベット支援団体、ボランティアに対し感謝を表しました。また、ダライ・ラマ法王の「四つの誓願」が世界の平和と安定といかに結びついているかについても述べました。さらに、今年を「慈悲の年」として、チベットハウスが年間を通して様々なイベントを企画していることを伝え、支援と参加を呼びかけました。
日本チベット国会議員連盟の会長である山谷えり子議員は、法王の90歳を祝うとともに、今後も人類を平和と繁栄へと導き続けるために、法王の長寿と健康を祈願しました。山谷議員は、最近開催された第9回WPCTにおいて、29か国・130名以上の代表がチベット問題と今後の道筋について議論したことを紹介しました。
特に、チベットの子どもたちがアイデンティティ・言語・文化を奪われている中国の植民地的寄宿制学校の危険性に言及しました。また、2011年にダラムサラを訪れて法王に拝謁した経験を語り、チベットの「平和と慈悲の文化」に深く感銘を受けたと述べました。
大阪を拠点とする「チベットを支援する地方議員連盟(AJLAMST)」の議員たちも、はるばる東京まで足を運び、祝賀会に参加しました。同連盟会長の田口敬規(よしのり)議員は、平和と正義を求めるチベットの闘い、そして人間の尊厳・平和・慈悲を促進する法王の尽力への、自身と団体の支援の支持を表明しました。
超宗派の僧侶団体「スーパーサンガ」代表であり、久米田寺明王院住職の上田尚道師も登壇し、法王の愛と慈悲の教えの重要性について語りました。上田師は2005年に初めて法王にお会いしたことを述べ、法王の質素で慈愛に満ちた人柄に触れたエピソードをいくつか紹介しました。また、ダライ・ラマ法王の90歳の誕生日を記念してチベットハウスと協力して進めている「桜の植樹プロジェクト」について説明し、参加者の協力を呼びかけました。
日本チベット国会議員連盟の顧問である下村博文氏(文部科学大臣)は、ダライ・ラマ法王を、困難な時代におけるチベット人の精神的指導者としてだけでなく、人類全体の「平和的共存」や「普遍的責任」の実現に尽力される偉大な指導者として深く敬愛していると述べました。彼はまた「チベットは中国の国内問題ではなく、国際的な問題である」と明言し、法王のご長寿とご加護を祈願しました。
チベットハウス・ジャパンの長谷川直子氏は、法王による誕生日のメッセージの日本語版を朗読しました。その後、「法王に感謝申し上げます」という短いビデオが上映され、参加者はおおいに喜びました。
東京大学の平野教授は、これまでのチベット訪問やチベット人との交流について語り、法王の健康と世界平和に向けた活動が今後も続くことを祈念し、乾杯の音頭を取りました。その後、在日チベット人コミュニティによるチベット舞踊が披露され、会場は祝福ムードに包まれました。
法王の誕生日イベントの一環として、当日の朝には在日チベット人たちが渋谷駅前で飲料水のボトルを配布しました。人々はそれを法王とチベット人からの贈り物・祝福として受け取りました。
この祝賀会には、国会議員、地方議員、僧侶、尼僧、学者、知識人、芸術家、支援者、チベット人など約200名が参加しました。北海道・本州・四国・九州の各地から人々が駆けつけ、ダライ・ラマ法王とチベット人たちに祝意を表しました。
閉会式での中締めでは、元国会議員でセーブ・チベット・ネットワーク会長の牧野聖修氏が登壇。法王との面会やチベット人たちとの関わりを振り返りながら、参加者全員に感謝の言葉を述べ、チベットの正義ある大義への継続的な支援を呼びかけました。
また、WPCTおよび誕生日イベントの運営に協力した支援者には、伝統的な白いカタと呼ばれるスカーフと記念品が贈呈されました。イベントの最後には、第9回WPCTで採択された「東京宣言」「行動計画」「法王90歳誕生日に関する決議」、および法王の転生に関する声明が参加者に配布されました。
— ダライ・ラマ法王日本代表部事務所による報告










(翻訳:中山直子)