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オーストラリア首相 「ダライ・ラマ法王を冷たくあしらう」

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2002年4月9日
オーストラリア(ジ・オーストラリアン)

オーストラリアのジョン・ハワード首相は来月に予定された中国訪問に伴い、チベットの精神的指導者であるダライ・ラマ法王を冷たくあしらっているとして告発されている。

詳細はまだ明らかにされていないが、ハワード首相は来月、5月19日にディリで行われる東ティモールの独立祝典に出席した後、中国に向かうものと予測されている。

ハワード首相にとって3度目となる今回の中国訪問は、30年間にわたる2国間の外交的な絆を示すものである。

しかし、ハワード首相の中国訪問が、5月18日から27日の間に予定されているダライ・ラマ法王のオーストラリア訪問の最中に行われると考えられることから、オーストラリア・チベット評議会はそれに対して愕然とさせられると述べている。

「もしも、ダライ・ラマ法王がオーストラリアにいる時期に首相が中国訪問をするならば、多くのオーストラリア人は深く感情を害するであろう」と、評議会代表のアレックス・バトラーは言っている。

「それは、ハワード首相がダライ・ラマ法王から距離を置き、中国の指導者達に取り入るために意図的に動いていると解釈されるであろう」

ハワード首相の事務所は、首相は今年のある時期に中国を訪問する予定であると述べるに留まり、5月の北京訪問については明言を拒否している。

1989年6月に起こった天安門広場での大虐殺以来、緊迫していた二国間の関係は、ハワード首相が初めて中国を訪問した1997年以後は著しい進歩を遂げている。

政府側は、ダライ・ラマ法王が訪問する際、キャンベラの国会議事堂内の大講堂における、公共での演説実施の許可を拒絶し、それによって既に中国との外交上の障害を制約している。

外務大臣のアレクサンダー・ダウナー氏のスポークスマンは、ダライ・ラマ法王は宗教的に重要な人物ではあるが、正式な政府代表としてハワード首相に認識されるまでには至っていないと述べた。

「幾らかの人々は彼をチベット亡命政権の代表として見ているが、我々は彼がそういう人物であるという認識はしていない」と、AAPに伝えている。

「我々は、彼は重要な宗教的リーダーであると認識しており、彼はそういう意識の下でオーストラリアを訪問するのである。ダウナー氏と首相の両者は、彼が過去に訪問した際に会見している」

そのスポークスマンは、ダウナー氏もまた、ダライ・ラマ法王に会見することはないと述べている。なぜならば、大臣もまた、東ティモールの独立祝典に出席する予定であり、その後もインドネシアやほかの地方の国々を訪問する予定であるからとのことである。