2025年9月23日

2025年9月23日、オーストラリア政府は、ジュネーブで開催中の国際連合人権理事会(第60会期)において、チベットにおける人権問題を提起し、さらにダライ・ラマ法王の転生者選定に対する干渉について深刻な懸念を表明した。
オーストラリア国際連合常駐代表兼大使 クレア・ウォルシュ氏は、同理事会においてオーストラリアの声明を発表し、チベットにおける継続的な人権侵害に強い懸念を示した。声明は、「各国政府は国際法および国際規範に従って行動すべきであり、ダライ・ラマを含む宗教指導者の選定に干渉してはならない」と強調した。
今月初め、キャンベラで開催されたチベット・ロビー・デー(Tibet Lobby Day 2025)においても、多くのオーストラリア連邦議会議員が、ダライ・ラマの選出に対する中国政府の干渉計画を非難していた。
ステフ・ホジンズ=メイ上院議員(オーストラリア緑の党/ビクトリア州選出)は上院において、「ダライ・ラマの継承はチベット仏教における神聖な伝統であり、オーストラリアは中国政府によるいかなる干渉も断固として非難すべきだ」と述べた。
ニック・マッキム上院議員(オーストラリア緑の党/タスマニア州選出)は、中国政府がチベット人の文化的・精神的生活に干渉し続けており、その中には将来のダライ・ラマ法王の転生者選定準備も含まれていることを指摘した。そして「中国政府によって任命されるいかなるダライ・ラマも正統性を持たず、そのような干渉は到底容認できない」と述べた。
スーザン・テンプルマン下院議員(オーストラリア労働党/マッコーリー選挙区)は下院で、「いかなる政府も宗教指導者の選定に干渉すべきではなく、その継承は宗教的規範と慣習に従って行われるべきである。次代のダライ・ラマも例外ではない。ただし、現ダライ・ラマ法王が非常に長寿を望んでおられることは我々も承知している」と述べた。
―キャンベラのチベット事務所による報告
(翻訳:ヤーマ・キリーク)