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アムネスティ・インターナショナル、中国政府にチベット弾圧を止めるよう要求

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(2011年9月29日 ダラムサラ)

先日の僧侶の焼身自殺は中国政府の弾圧に対する抗議だったとして、アムネスティ・インターナショナルは中国政府にチベット民族の文化・宗教の自由を尊重し、弾圧をただちに止めるよう要求した。

アムネスティ・インターナショナル・ロンドン事務所は9月28日付の声明で次のように述べた。

「最近起きた複数の焼身自殺は中国政府によるチベット地区の文化・宗教の自由弾圧に対する抗議であった可能性がきわめて高い。アムネスティ・インターナショナルは中国政府にこれをただちに止め、チベット民族の文化と宗教を尊重するよう要求する。中国政府は焼身自殺の舞台となった四川省ンガバ地区のキルティ僧院と同省カンゼ地区のニャツオ僧院を弾圧していた。ツェワン・ノルブの自殺は、今年3月のキルティ僧院の僧侶プンツォクの焼身自殺以降、強化されていた中国当局の弾圧に対する抗議によるものだったと思われる」。

声明にあるとおり、ニャツオ僧院のツェワン・ノルブは今年8月15日、自らに火を放って命を絶っている。3月16日のキルティ僧院の21歳の僧侶プンツォクの焼身自殺を受けた中国当局の治安活動の強化について、アムネスティは次のように述べている。

「今年3月のプンツォク自殺後の抗議行動により、キルティ僧院の僧侶300名をはじめとする大量逮捕、治安部隊による強制失踪、殺人などが起きた。キルティ僧院の僧侶に同調した学生が通う高校は閉鎖され、捜査の対象となり、教科書が焼かれた。

….. シェルキという65歳の女性とドンコという60歳の男性が、キルティ僧院の僧侶の大量逮捕を阻止しようとした住民と治安部隊との衝突によって死亡した。また、ンガバ地区の警察署の外でチベット自治のための抗議行動を行っていたチュクペルという24歳のチベット人男性も、おそらく警官の殴打による負傷を原因として死亡した

……3月に拘置された300人の僧侶の中にいた子供たちは、ダライ・ラマの告発、中国政府によるチベット史観による教化などを目的とした『愛国教育』の対象となった。

…… その後、大半の僧侶が釈放されたが、現在進行中の刑法訴訟により、ロブサン・ケドゥプ、ロブサン・ギャツォ、ドンヨ・ドルジェ、ロブサン・ダルギェ、クンチョク・ツルティムの最低5名が懲役3年の刑を宣告されている。正確な罪状など裁判の詳細は不明だが、チベット地区、あるいは中国国内の他の地域では公正な裁判が行われないケースが多い。今回の裁判では、最低でも上記の5名を除く3名が『労働による再教育』の刑を宣告されている。」

アムネスティによれば、キルティ僧院の僧侶は今も、『愛国教育』の対象となっており、僧侶、一般民いずれも、日常的にダライ・ラマ法王の告発を強制されている。


(翻訳:吉田明子)