(2005年12月16日 Tibet.net)
(ブリュッセル)2005年12月15日に発表された声明によると、対外関係最高責任者Benita Ferrero-Waldnerの代理として、ヨーロッパ委員会副総裁G・ter Verheugen は次のように述べている。
「我々は中国の地方当局が宗教的自由を制限する厳しい制限を課していることを危惧し、僧侶の拘禁とラサのデプラ修道院の封鎖という最近の事件を遺憾に思う。」
声明は、チベット問題を対話によって解決することに全面的に支持すると発表し、中華人民共和国にいかなる前提条件もなしに対話を始めることを促している。
以下に声明の全文を掲載する。
委員会は中国における人権状況、特に香港における立憲体制の発展、チベットにおける僧侶の拘束とデプン寺の封鎖に関し、欧州議会と関心を共にしている。これらの事柄は中国との対話の指針において大変重要な位置を占めている。 委員会はまた12月12日のGAERC(General Affairs and External Relations Council )の決定を歓迎し、支持している。その決定において中国の人権政策、とくに少数民族の人権に関して強い関心を表明している。 12月12日、GAERCは委員会に中国と新しいパートナーシップを結び協力する協定締結を交渉する権限を承認した。その権限を承認するにあたり、中国との協力協定は人権の一般条項を含むことが前提とした。 香港に関して、EUは民主主義を全世界的に合法的な、安定した、無理のない、透明な政府を作る方法として、また権利と自由を守る方法として、また法の支配を守る普遍的な方法として支持している。EUは、普通選挙が香港において基本権として確立されるという最終的な目標にむかって、香港人民の意志に沿って迅速に着実に前進することを支持している。中国に対して香港における普通選挙を認めるよう、圧力をかけ続けることは重要である。 チベットの状況に関して、EUは中国に対する行動方針においてチベットを重要視している。その行動方針はチベット人民の文化的、宗教的、言語的アイデンティティの保存に重点が置かれている。我々が動向を見守っている地域における現時点のチベット人民の状況、特に宗教的自由の実践に関しては、EUの相当の関心を引き起こしている。我々は地方当局が宗教的自由の実践に厳しい制限を課していることを危惧し、僧侶の拘禁とラサのデプン寺院の封鎖という最近の事件を遺憾に思う。 我々は中国の主権とチベット住民の尊厳とが両立しうる解決が近いうちに訪れることを願っている。我々は、この最終的な目標に到達するためには、対話以外に選択しうる、平和的な方法はないと考える。したがって我々は北京政府とダライ・ラマ法王の代表団との間でかわされた過去何年にも及ぶ対話を全面的に支持する。 我々は、このような直接的な対話こそがチベット問題の永久的な解決につながりうると固く信じており、直接的な対話をいかなる条件もなしに始めるべきだと考えている。一方で当事者双方は、問題解決の為に不可欠と思われる信頼関係の確立をあやうくする、どのような行動もやめるべきである。 |