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CECCの報告書により、チベットにおける中国の規制が明らかに

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チベット国際キャンペーンによる報告 2024年5月13日

米国政府委員会による最新の報告書により、チベット人が、宗教的信条を表明、中国の政策を批判、オンラインで情報を共有することなどを理由に中国によって処罰されていることが、国際人権基準に違反していることが明らかになった。

米議会対中国委員会(CECC)が発表した2023年の年次報告書によれば、中国はチベット人の宗教的慣習を制限し、統制し続けているという。また中国政府はダライ・ラマ法王の代理人との正式な交渉を再開する意志を示さなかったとしている。

この報告書には、議会と政権によるチベットの状況改善への提言が含まれている。

良心の囚人

中国は、政治的、宗教的表現を理由に、何百人ものチベット人を牢獄に閉じ込めており、いくつかの顕著なケースが報告書に挙げられている。

作家であり翻訳家でもあるロンボ・ガンカル氏は、ダライ・ラマ法王の誕生日を祝うことを呼びかけたのち、2021年から拘束されている。別の作家のジャムヤン氏は、学校でのチベット語の権利を訴えたのち、2020年6月から拘束され、何年も外部との接触が絶たれている。

また、6歳のときに中国政府に拉致されて以来消息不明となっているパンチェン・ラマ(35歳)や、ダライ・ラマ法王の写真を所持していたとして逮捕されたユドロンとドズムカルの姉妹についても挙げられている。

言語の権利

報告書によると、中国は、チベット人に中国語を話すことを強制しようとして、チベット人の言語的権利を侵害している。また、中国が「放置政策」をとり、中国国家に認められていないチベットの言語コミュニティをおろそかにしていると非難している。

また、チベット人の子供たちを家族から引き離すという、中国がチベットに設立した抑圧的な寄宿学校制度も、チベット人に対する脅威の一部となっている。

勧告

CECCは、議会とバイデン政権がどのようにチベットを支援できるかについて、以下のように、多くのことを提言している。

国連と協力し、人権高等弁務官や特別報告者を含む国連人権担当官によるチベット訪問と状況報告を支援すること。

チベットの中国警察、またその他の法執行機関と取引のある米国企業に対し、大規模で強制的な生体認証のデータ収集や、監視プログラムを含む重大な人権侵害、また、強制的に使用される機器の販売や提供を禁止する、適切な法律を採択し実施すること。

志を同じくする国々と協力し、チベットの信教の自由と、ダライ・ラマ法王を含むすべての宗教指導者を特定し、教育するチベット仏教徒の権利について、中国に圧力をかけること。

中国政府に対し、ダライ・ラマ法王を安全保障上の脅威として扱うことをやめるよう求め、中国政府とダライ・ラマ法王またはその代理人との間で、前提条件なしに真の対話を再開するよう要請すること。

現在、平和的人権の行使のために拘留または収監されているチベット人政治犯の釈放を要求すること。

中国政府に対し、拘束されているパンチェン・ラマ11世と、両親(1995年にダライ・ラマ法王がパンチェン・ラマ11世を認定した直後に行方不明となった)とが面会できるよう、各国政府や国際機関の代表を招待するよう要請すること。

2023年度年次報告の全文はこちらをご覧ください。

オリジナル記事


 (翻訳:南斗六星)