2026年2月22日

ダラムサラ:中央チベット政権(CTA)は2026年2月22日朝、ダライ・ラマ法王14世が「金の玉座」に即位されて86周年となる事を記念してポタラ宮内のシシ・プンツォクホールにて公式式典を開催した。1940年2月22日は法王が4歳で先代の生まれ変わりとして認定された日である。
式典にはノーベル平和賞受賞者のカイラシュ・サティヤルティ氏と中央チベット政権の元カロン・ティパ(首相)であるサムドン・リンポチェ教授が主賓として出席した。また、クンデリン・タツァク・リンポチェも出席。このほか、フィリピン下院議員のエイドリアン・マイケル・A・アマトン氏とルーファス・B・ロドリゲス氏が名誉ゲストとして出席し、インドの様々な宗教やコミュニティの代表も参列した。
公式式典は午前10時15分過ぎに始まり、最高司法長官、チベット亡命議会議長、中央チベット政権の主席大臣が、メンドレル・テンスム(仏陀の身、口、意を象徴する縁起の良い供物)を奉納した。
次に、チベット舞台芸術研究所(TIPA)のメンバーがチベット国歌の演奏を先導するなか、主席大臣がチベット国旗を掲揚し、カイラシュ・サティヤルティ氏がインド国旗をテクチェン・チョーリン・ツクラカン(本堂)の中庭で掲揚した。
式典のなかで、ペンパ・ツェリン主席大臣が内閣の声明を発表した。続いて、元カロン・トリパ(首相)のサムドン・リンポチェ教授が主賓としてヒンディー語で聴衆に語りかけ、法王の即位の歴史的意義と、法王が平和、慈悲、そしてチベット問題に長年貢献してきたことについて振り返った。
教授は、法王の即位はチベットだけでなく世界全体にとって歴史的な転換点であったと述べ、大きな困難にもかかわらず、法王の慈悲深い指導力によってチベット人は自らの文化的、宗教的アイデンティティを守り、それを世界と共有することができたと付け加えた。
また、法王に感謝を表明し、法王の生涯に渡る活動と密接に結びついた宗教間の調和と環境保護の重要性を強調するとともに、一方で宗教が儀式化されたり、自我やアイデンティティに縛られたりすると、分裂の源になり得ると警告した。
名誉ゲストであるフィリピンのエイドリアン・マイケル・A・アマトン下院議員は、法王の即位記念日に際して、法王の即位は生涯にわたって捧げられた慈悲、平和、チベット人の尊厳の始まりであったと述べた。
アマトン議員は、フィリピンの歴史的な経験と比較しながら、人々の強さは、精神、文化、そして未来への希望の回復力にあると強調し、チベットの人々との連帯を表明した。
名誉ゲストのルーファス・B・ロドリゲス下院議員もまた、ダライ・ラマ法王14世即位86周年記念式典への招待に感謝の意を表した。1959年の歴史的出来事を振り返り、「法王は1959年3月、中国統治に反対する民衆蜂起の中、ラサから亡命され、その後ダラムサラにチベット亡命政府を樹立された」と述べた。
さらに、チベット人に対する法王のリーダーシップおよび宗教間対話と世界調和の強力な提唱者としての功績を示し、法王が非暴力と慈悲への揺るぎない献身を認められ、1989年にノーベル平和賞を受賞したことを指摘した。フィリピンの代表として、1959年にフィリピンが権威ある、コミュニティ・リーダーシップ部門のラモン・マグサイサイ賞を法王に授与したことを誇りに思うと表明し、この栄誉はフィリピン国民の間で今も広く尊敬されていることを述べた。
スピーチの締めくくりとして、ダライ・ラマ法王14世を「世界における自由と慈悲の光明」であると称した。
これに続いて、シリ・アジャイ・クマール・シャルマ氏、ムハンマド・カミル・ジェイミー氏、ビクター・コジー導師、サルブジート・シン氏を含むインドの様々な宗教やコミュニティの代表らが、式典に集まった人々に向けて連帯を表明するとともに、ダライ・ラマ法王14世に敬意を表した。
主賓のカイラシュ・サティヤルティ氏は基調講演で、86周年を「闇を切り裂き、光へと向かう86年間の旅」であったと述べ、法王は即位以来人類に光を与え続けたと指摘した。法王への支援は世界的に広がっていると強調し、この旅はチベット人だけでなく、世界中の様々な宗教やコミュニティによって支えられていると述べた。
また、法王の幼少期を振り返りながら、普通の家庭の子供であった法王が、4歳で「金の玉座」に就いたことについて、その座に宿る偉大さは地位によるものではなく、その人自身から生まれたものだと強調した。サティヤルティ氏は、“後に見られた耀きは、玉座そのものからではなく、法王の内面、すなわち法王の叡智、精神力、そして内なる輝きから生まれた”と説明し、ダライ・ラマ法王が座られたからこそ、玉座が特別なものになったと付け加えた。
さらに、いかなる政府や政治権力、権力や富にかかわらず、法王に代わってダライ・ラマを任命する道徳的正当性はないと主張した。 この制度は独自の精神的伝統であり、次期ダライ・ラマの認定は確立された宗教的手続きと法王の指導によってのみ行われると説明し、たとえ法王が110歳まで生きたとしても、次のダライ・ラマはこの伝統によってのみ選ばれる人物であり、他の誰にも決めることはできないと述べた。
続いて、ケンポ・ソナム・テンペル議長が、チベット亡命議会の声明を発表した。
本イベントは中央ゴトン組織委員会副委員長兼中央チベット政権財務省事務局長ツェリン・ドンドゥップ氏の謝辞で終了した。(中央ゴトン組織委員会:ダライ・ラマ14世の90歳誕生日を祝うために、中央チベット政権が立ち上げた公式プロジェクト名)
また、中央チベット政権指導部(イェシ・ワンモ最高司法委員、ケンポ・ソナム・テンペル議会議長、ペンパ・ツェリン首相、ドルマ・ツェリン・テイカン副議長、チベット司法委員のダワ・プンキ氏とパクパ・ツェリン氏、教育省のチャングラ・タルラム・ドルマ大臣、情報・国際関係省のカロン・ノルジン・ドルマ大臣、公共サービス委員のカルマ・イェシ氏、選挙管理委員長のロブサン・イェシ氏、チベット議会常任委員会のメンバー、ダライ・ラマ法王事務所およびチベット仏教協会の報道官、チベットのNGOの代表者ら)が出席した。














(翻訳:Sakura Nakayama)






