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ダライ・ラマ法王へのノーベル平和賞授与36周年および 「世界人権デー」にあたっての、カシャック(内閣)の声明

2025年12月10日

ダライ・ラマ法王へのノーベル平和賞授与36周年および「世界人権デー」にあたり、カシャック(内閣)が声明を発表した 撮影/テンジン・フェンデ/ CTA

本日は、平和の使徒でありチベットの至高の指導者である、偉大なるダライ・ラマ法王14世へのノーベル平和賞授与36周年、世界人権デー、そして「慈悲の年」が重なる記念すべき日です。カシャックは、これら三つの重大な節目が重なるこの日に、ダライ・ラマ法王14世に対し、身・口・意をもって深い敬意を表し、心からの祝意を捧げます。また、世界中の尊いゲストの皆様、親愛なる友人方、チベット支援者の皆様、そして何よりチベット内外に住むチベット人の兄弟姉妹の皆様に、温かいお祝いを申し上げます。

ノルウェー・ノーベル委員会は、この権威ある賞の授与を発表した声明の中で、「1959年にインドへ亡命して以来、ダライ・ラマ法王は中国によるチベット占領に対し、非暴力の抵抗を主導してきた」と宣言しました。さらに同委員会は、「チベット解放に向けた闘いにおいて、ダライ・ラマ法王は一貫して暴力の使用に反対してきた。その代わりに、自国民の歴史的・文化的遺産を守るため、寛容と相互尊重に基づいた平和的な解決を提唱してきた」と強調しました。

声明ではまた、法王が「すべての生きとし生けるものへの深い畏敬の念と、自然だけでなく全人類を包み込む普遍的責任という概念に基づき、独自の平和哲学を発展させた」ことも繰り返されました。委員会の見解によれば、「ダライ・ラマ法王は、国際紛争、人権問題、および地球規模の環境問題の解決に向けて、建設的で先見の明のある提案を行ってきた」とされています。

法王は受賞スピーチの中で、ノーベル平和賞は「真実、勇気、そして決意を武器とすれば、チベットは解放されるという私たちの信念を再確認させるものである」と述べられました。法王は、「過去40年間の占領下におけるチベット人の苦しみは十分に証明されており、チベットの理念は長く正当な闘いである」と宣言されました。

世界が紛争、憎しみ、恐怖という暗闇に包まれている今、慈悲と知恵、そして深い普遍的責任感に根ざしたダライ・ラマ法王の平和哲学は、真の持続可能な平和への実行可能な道を照らしています。この歴史的な日を祝う主な目的が、これらの普遍的な教えを学び、実践することに自らを捧げることにあるのは、詳しく述べるまでもありません。

ダライ・ラマ法王の平和哲学は、人間が相互依存の社会の中に存在していることを認識し、世界平和の達成は、個人が普遍的責任感に導かれ、他者や自然環境に対して倫理的な責任を引き受けることにかかっているとしています。

法王は、個人の心の平和、社会の平和、そして世界の平和から成る三層の平和の枠組みを説かれています。世界平和の始まりは個人レベルにあり、そこでの慈悲、徳、普遍的責任の育成が社会の平和の基礎を築き、人類の一体性の理解を育みます。法王は、教育システムの中に社会的、感情的、および倫理的学習を統合することを構想し、国際的な紛争や争いを解決するための根本的な手段として、非暴力と対話を採用することの重要性を強調し続けておられます。さらに法王は、環境保護を持続可能な世界平和の不可欠な前提条件と見なされています。

このように、法王の哲学は暴力と紛争が蔓延する現代世界において、理性的かつ平和的な代替案を提示しています。このビジョンの生きた体現者は中央チベット政権とチベットの人々であり、120万人以上のチベット人の不慮の死を招き、チベット民族の完全な抹殺を目的とした政策を継続している中華人民共和国政府に対し、非暴力の原則を堅持し、互恵的な中道政策を一貫して追求してきました。

今年は、ダライ・ラマ法王14世の90歳の誕生日に合わせ、世界中で「慈悲の年」として祝われています。この活動の主な目的は、法王の平和哲学の根幹をなす慈悲の論文を推進することです。

慈悲は怒りや恐怖に対する解毒剤であり、平和を生み出すメカニズムとして機能します。慈悲は相互依存という現実の理解から生まれるため、平和のための倫理的基盤を構成します。慈悲は対話、相互理解、和解を促進し、非暴力の原動力となります。宗教、言語、人種といった境界を超え、慈悲は地球規模の倫理の核心を体現しています。

これは単に仏教の教えを現代風に表現したものではなく、法王の生涯にわたる経験から導き出された知恵を反映したものであり、法王の平和哲学の精髄を表しています。国際的な平和研究のためのこの重要なリソースが世界中に広まり、有意義で広範囲に及ぶ成果を生むことを私たちは切に願っています。

本日は世界人権デーでもあります。私たちは、基本的人権を否定されている世界中のすべての人々に連帯を表明するとともに、これらの権利を抑圧している側の人々が善悪の判断力を養うことを願っています。慈悲への理解を通じて、彼らがあらゆる人間の命を尊重し、あらゆる声に耳を傾け、あらゆる人々の願いを尊ぶようになることを願っています。

特に、憎しみ、強欲、無知に突き動かされ、チベットの民族的アイデンティティの抹殺と環境破壊を推し進めている中華人民共和国政府が、一日も早く慈悲、優しさ、知恵と相まみえることを願っています。その結果、これらの破壊的な政策を停止し、互恵的な中道政策を通じたチベット・中国間の紛争の平和的解決へと転じることを期待します。

最後に、ダライ・ラマ法王14世の長寿と、世界平和、人類の連帯、およびチベットの正当な大義の解決に向けた法王の崇高な活動がますます発展することを切に祈念いたします。また、法王の慈悲の教えが全人類の精神的な基盤となり、実践の真髄となることを願っております。

2025年12月10日

カシャック(中央チベット政権内閣)

オリジナル記事


                                                   (翻訳: Yuki)