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州党委書記、思想統制を強化 チベット仏教に「中国化」と社会主義への適応を要求

2025122

甘粛省甘南チベット族自治州党委書記の何謀保(ホー・モウバオ)氏はこのほど、北京中枢の指示を受け、思想統制を強化する動きの一環として、同州内の複数地域を視察し、国家に対する絶対的な政治忠誠と中国共産党(CCP)への感謝を求めた。

視察では、サンチュ(夏河)県の著名僧院ラブラン寺を11月19日に訪れるなど、象徴性の高い日程が組まれ、同書記はチベット仏教の「中国化」を組織的に推進し、社会主義社会への全面的な統合を強調した。

一連の政策は、10月20日から23日に開催された中国共産党中央委員会第20期第4回全体会議で示された方針に基づくもので、同書記は地方当局に対し、「新時代におけるチベット統治のための党の戦略」を全面的に履行するよう指示した。

ラブラン寺での視察には、甘南州の幹部をはじめ、多数の郷鎮レベルの幹部のほか、サンチュ(夏河)県および周辺地域のテルルン寺、ドラカル寺、ラチャブ寺、ゲイフェル寺の各寺院の責任者のほか、ギョギャ尼僧院、サユエ尼僧院、地元の密教学僧院の関係者らが招集された。

中国国営メディア/プロパガンダ用配布資料:甘南チベット族自治州ラブラン寺を視察した何謀保党委書記は中国共産党中央委員会第20期第4回全体会議の方針を伝達した(2025年11月19日)

4回全体会議の方針

謀保書記は、中国共産党中央委員会第20期第4回全体会議について、「今後5年間の壮大な青写真を描いた」としたうえで、中国国家の結束と中国文化の影響力を大幅に強化することが中核的な社会・政治目標であると強調した。

また、同会議の決定を踏まえ、次の2点を主要な要件として掲げた。
・「中華民族の共同体意識を確立すること」
・「宗教の中国化を堅持し、宗教事務に対する法に基づく統治を強化すること」

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僧院生活における思想統一の徹底

今回の政治キャンペーンの大きな狙いは、僧侶や在家信者の思想と行動を方向付けることにある。何謀保書記は、宗教界に対し、愛国心と党への忠誠心を涵養するよう指示するとともに、その徹底を図る措置として、次の活動を義務付けた。

・「党に感謝し、新時代に奮闘する」といった運動を通じて政治教育を化させるとともに、「国家意識、市民意識、法治意識」の強化を図る。
・「法令を学び、戒律を守り、良好なイメージを築く」とする思想教育プログラムへの参加を義務付ける。
・中国共産党が示す歴史観、国家観、文化観、宗教観に沿った「正しい国家観」の定着を求めるとともに、「五つの認同」(中国の祖国、中国の民族、中国文化、中国共産党、中国の特色ある社会主義への同一化)を徹底させる。

また、僧侶に対しては「正しい信仰、正しい行動」を実践し、中国共産党の宗教・民族・社会政策を積極的に遵守するよう、明示的な指示が出された。

制度的統制

今回のキャンペーンは、法制度や行政手続きを通じて、寺院運営の標準化を進めることも狙いとされている。当局は、こうした標準化によって「宗教分野における長年の課題に対処する」としている。さらに寺院側には、「自己教育、自己管理、自己規律」の強化が求められており、実質的には政治的な自己監視体制の導入が進められている。

中国国営メディア/プロパガンダ用配布資料:政府運営の寄宿学校に在籍するツェー僧院(合作市)のチベット人少年僧侶2人に書籍を見せる何謀保党委書記(資料写真、2024年1月17日)

オリジナル記事


(翻訳:YK)