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東京宣言

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第9回チベットに関する世界国会議員会議

2025年6月2日~4日、日本、東京

我々、第9回チベットに関する世界国会議員会議の代表団並びに代表者は、2025年6月2日から4日まで日本の東京で会合し、以下の声明を発表した。チベットに関する東京宣言である。

ワシントンD.C.で開催された第8回チベットに関する世界国会議員会議(WPCT)以降、ワシントン宣言の趣旨に則って、各国の議員がダライ・ラマ法王とダラムサラの中央チベット政権(CTA)本部を訪問し、亡命政権の指導者と交流したことは喜ばしいことであり、ここに書き留める。

ワシントンD.C.で開催された第8回チベットに関する世界国会議員会議以降、世界中で支援団体が増加していることを称賛する。

世界最大のチベット支援議員連盟である日本チベット国会議員連盟が、第9回チベットに関する世界国会議員会議を東京で共催し、主導的な役割を果たしたことに深く感謝の意を表する。

第8回チベットに関する世界国会議員会議以降、米国、カナダ、チェコ共和国、欧州議会、オランダ、オーストラリアなど、世界各地でチベットを支援する決議や動議が採択されたことを歓迎する。

議長および副議長が率いるチベット亡命議会の議員が、インド全土および欧州諸国においてチベットへの支援を訴えてきたことは喜ばしいことであり、ここに書き留める。

1950年以降の、中華人民共和国(PRC)によるチベットへの武力侵攻と占領以前、チベットが歴史的に独立国家であったことは事実であると認め、これを再確認する。

中国によるチベットにおける継続的な弾圧と人権侵害にもかかわらず、チベット国民は権利と自由の回復に向けて努力し続けている。

中国に対し、ダライ・ラマ法王の代表者、あるいは民主的に選出されたチベットの指導者との実質的な対話を無条件で再開し、中道政策を通じてチベット・中国間の紛争を解決するよう強く求める。

チベット人のアイデンティティを破壊するための強制同化や、植民地的寄宿制学校の設置など、中華人民共和国による、チベットにおける継続的な人権侵害を非難する。

チベット人の文化と生活様式の基盤を破壊している、チベット仏教の中国化を糾弾する。

中華人民共和国が自由世界にいるチベット人に対し、監視や脅迫、在外チベット人コミュニティへの干渉を含む、国境を越えた弾圧をエスカレートさせていることに対する懸念を示す。例えば、ベトナムで拘束されていたトゥルク・フンカル・ドルジェ・リンポチェが不審死を遂げたことが挙げられる。

信教の自由、言論の自由、集会の自由を行使し、チベット人として生きることを望んだために、中華人民共和国の刑務所に収監されているパンチェン・ラマ11世および全てのチベット人政治犯の釈放を求める。

自由を取り戻すための非暴力闘争を行っているチベット人のため、また、チベットの文化遺産の保存のための、精神的および物質的な支援を各国政府に求める。また、チベット国内のチベット人および、亡命しているチベット人のエンパワーメントを図る政策およびプログラムを通じて、中央チベット政権の活動を支援することを求める。

ダライ・ラマ制度の存続は、チベット人とチベット仏教の信者にとってのみならず、平和で自由がある生活を切望する、より広範に渡る国際社会の人々にとっても不可欠であると強く信じる。

チベット仏教における輪廻転生の特定と認定の慣習は、純粋に宗教的な事柄であり、中華人民共和国政府による外部からの政治的干渉を受けるべきではないことを確認する。

しばしば「第三の極」と呼ばれるチベットは、北極と南極以外では最大の淡水資源を有し、アジアの主要河川に水を供給しているが、その脆弱な生態系を鑑み、保護する必要があることを認識する。

チベット高原が、地球の気候システムの調整と生物多様性の保全、脆弱な高地生態系の維持において、重要な役割を果たしていることを認識する。

チベットの環境の重要性とチベット人の権利に関する世界の人々の意識を高め、気候・環境政策フォーラムにおいてチベット人の意見が反映されるよう主唱することを約束する。

すべての国会議員に対し、チベットを支援するための更なる法案の提出を促す。そこには、中華人民共和国による、チベットが古代から中国の一部であったという主張と、チベットへの侵攻と現在の占領を正当化するために同国が宣伝している虚偽の言説を拒絶することも含まれる。

チベットの歴史的地位と自決権を支持する。

中華人民共和国がチベットを「シーザン」に改名しようとしていることを拒絶する。

対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)や、その他の国会議員の連盟と団体を含む、志を同じくする国会議員の団体と協力することを求める。

チベットに関する協調的な取り組みのために、国会議員どうしの、また、チベット亡命議会との協力を強化する。国会議員による超党派の国際的な議員連盟(INPaT)が、この調整機関として発足した。

2025年6月4日に日本の東京、国会議員会館国際会議場で開催された、第9回チベットに関する世界国会議員会議において、全会一致で採択する。

オリジナル記事


 (翻訳:T.M.)