2025年1月20日

東京:インド仏教哲学を研究している東京大学の学生、乾将崇(いぬい・まさたか)氏が、南インド、フンスールのチベット人居住区にあるギュメ寺で、チベット語と仏教哲学を学んだ経験について講演した。チベットハウス・ジャパンは、チベット人社会で学ぶことに関心のある人々に乾氏が自身の経験を伝える機会があればと、2025年1月19日に講演会を企画した。
アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表は講演会の参加者を歓迎し、乾氏がどのように大学やチベットハウスの語学クラスでチベット語を学んだか、また、インドのギュメ寺で学んだ内容などついて述べた。チベットハウス・ニューデリーが実施しているオンラインのナーランダ僧院修了証とディプロマコースについても伝えた。
乾将崇氏は初めに、チベットの地震被災地の人々のために般若心経の祈りを捧げた。講演では、ギュメ寺での教育や、チベットの僧院で仏教がどのように教えられているかを話し、仏教を宗教的教義としてではなく、科学や哲学として伝えようとするダライ・ラマ法王の取り組みに感銘を受けたと述べた。また、ギュメ寺のカリキュラムと、それが16年間の学習でどのようにカバーされているかについて語った。SEEラーニング(社会的・情緒的・倫理的[Social, Emotional and Ethical]学習)が科学的で慈悲深い教育として、西洋の多くの人々に受け入れられていることについても話した。
会場には、すでに学識のある学者や僧侶など、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が集まり、最後に質疑応答が行われた。二つのコミュニティ間の学生交流を促すため、このような講演に興味を示す人もいた。
アリヤ代表は、今回のチベットでの地震の最新情報を伝えた。また、チベットハウスは、チベットの人々との連帯を表明したい複数の個人や団体の要請を受けて地震救援基金への寄付を受け取る手配をしたと説明し、寄付金が目的地に送られ次第、報告すると述べた。
事務所スタッフの長谷川直子氏が司会を務め、来場者にはチベットに関する冊子が配布された。
–ダライ・ラマ法王日本代表部事務所による報告
(翻訳:稲田かおり)