(2008年12月10日 AP通信)
北京 – 12月9日火曜日、何百人もの中国人活動家達が、より大きな自由と中国一党支配の終わりを求めて、異例の公開書面を発表した。支持者によれば、声明が発表もされないうちに、二人の署名者が警察に拘束されたという。
弁護士、作家、学者、芸術家など300人以上が署名した「`08憲章」と呼ばれるこのオンライン声明は、共産党支配を批判すれば即座に罰せられるような国において、公に変化を求める呼びかけの新しい形を示している。 (→原文はこちら)
この声明は中国における権利を改善するために、独立した司法制度、結社の自由、一党独裁政治の終わりなど、19の基準を提案している。声明は水曜、国連総会における世界人権宣言の採択60周年に合わせて発表された。世界人権宣言は、後の多くの人権条約に影響を与えた文書である。
中国は国連条約に調印したが批准していないため、これに縛られていない。
声明に署名した莫小平弁護士は次のように語った。「この憲章は、報道の自由や結社の自由、司法の独立、信教の自由、環境保護といった、世界人権宣言の主張と同じ考え方や価値観を掲げています。何ら中国の憲法に反するところはありません。」
しかし活動家の張重髪氏によれば、月曜の夜、警察が自宅に現れ、尋問のために彼を勾留し、火曜の朝に釈放されるまで12時間拘束されたという。
「警察は私が`08憲章の立案に関わったとして、二度としないよう警告した。彼らは私の家を捜索し、コンピュータと本と銀行カードを持っていった。」と張氏は言う。
同じく月曜に勾留された劉暁波氏は、辛口の作家で政治批評家であり、1989年の天安門広場の抗議で果たした役割のために投獄されたことがある。
53歳の劉氏は北京師範大学の元教授であり、1989年に学生主導で行われた天安門広場の抗議に参加したとして、20ヶ月を牢獄で過ごした。天安門広場の抗議は、政府による軍隊の投入で何百人、あるいは何千人もが殺されて幕を閉じた。
火曜に劉氏も釈放されたかは定かでない。彼の携帯電話は電源が切られており、自宅の電話は鳴りっぱなしだ。
中国警察は今回の勾留について、電話およびFAXによる質問に回答していない。
ニューヨークに拠点を置くヒューマン・ライツ・ウォッチのニコラス・ベクリン氏は、`08憲章には大きな意義があるという。中国の多様な著名人を、人権を掲げた共通計画のもとに集めたからだ。
ベクリン氏は、この憲章は共産党批判よりも、具体的な提案を示し、人権の法的保護に焦点を置いているという。それでも、署名者は警察の捜査を受けるだろうとも予測している。
中国は人権状況について国際社会に対して弁護する努力を、国内からの批判で妨害されたくないのだ、とベクリン氏は言う。
「中国政府は本気で、人権問題は西洋の国々や政府から押し付けられた外部の課題だと主張している。しかし、この主張には嘘がある。」
新華社通信との公式なインタビューで、国務院新聞弁公室主任の王晨氏は、中国の人権はこの30年の社会改革で大きな改善がみられたとしながらも、「人権の改善は、なお多くの問題や困難を抱えている」と認めた。
問題の中には、社会的不平等、国の政治構造の弱さ、政府のあらゆる層における認識の欠如、といったものもあるという。
しかしながら王氏は、特に米国務省の批判が「無根拠」であること、国連憲章では国際機関の「本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項」への干渉は許されていないことを挙げ、中国の人権状況に対する批判者達に注意を促した。