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国連専門官がチベットにおいて新疆ウイグル自治区と同様の強制労働の取り決め事実を特定

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2022年8月19日
スタッフ・リポーター

画像:ポリティコ

ジュネーブ:現代的形態の奴隷制担当国連特別報告者の小保方智也氏は、東トルキスタン(CHN:新疆ウイグル自治区)で確認されたのと同様にチベットにおいて強制労働の取り決め事実を特定した上で、チベットでは「大規模な労働移転プログラムが、主として農民、牧畜民その他の農村労働者を未熟練かつ低賃金の雇用にシフトさせた」と指摘した。

国連特別報告者の小保方智也氏は、2022年9月12日から10月7日に開催される予定の第51回国連人権理事会で、「民族的、宗教的及び言語的少数民族集団に属する人々に影響を与える現代の奴隷制度形態」と題する最新の報告を発表する予定である。報告書の中で小保方氏は、動産としての奴隷制、強制及び奴隷労働、児童婚と強制婚の両方またはそのいずれか一方を、現代の奴隷制度形態の主たる徴候として特定している。

また、新疆ウイグル自治区とチベットに現存する強制労働制度について審査し、国連専門官は、国家が義務付けた以下の2つの制度を特定した。

(1)少数民族を拘禁して従属させた状況下での職業上の技能教育及び訓練センター制度

(2)余剰の農村労働者が第二次又は第三次産業分野の労働に移転させられる労働移転制度を通じての貧困緩和制度

特別報告者は、「雇用機会の創出」と「所得の増大」という中国政府による主張を明確に否定し、「影響を受けたコミュニティによる不本意な性質を示す強制労働の指標が多くのケースに現存する」ことが認められるとしている。また、特別報告者は、「実例の中には、人道的に反する犯罪に該当するような実質的に奴隷状態にある可能性がある」と結論付けた上で、さらなる公正な分析を求めている。

特別報告者は、論理的に正しい法的分析による報告書に基づいて、強制労働に従事する労働者は、「過度の監視、侮辱的な生活と労働条件、抑留状態に伴う移動の制限、脅迫、身体的若しくは性的な暴力の両方またはそのいずれか一方、その他の非人道的又は屈辱的な待遇」にさらされていることを明らかにした。

民族的又は種族的、宗教的及び言語的少数者に属する者の権利に関する宣言から30周年を記念し、現代的形態の奴隷制担当国連特別報告者である小保方智也氏は、原因と結果を含む現代の奴隷制度形態に関して、少数民族集団に属する人々の現実を解明した。

この報告書を勝利だとして、共産主義犠牲者記念財団のエイドリアン・ゼンツ中国研究主任研究員は、「国連特別報告者による声明は、主要な多国間機関の権威ある専門家によるものであり、極めて意義深いものである。非常に重要なことは、小保方氏が、新疆ウイグル自治区のみならず、新疆ウイグル自治区の状況にだけ注目され、近頃ではより目立たなくなっていたチベットの現状に着目したことだ。」と指摘する。ゼンツ主任研究員は、軍事的な職業訓練制度をチベットに導入した中国を批判した、最も初期の研究者の一人である。

中央チベット政権中・東欧地区代表部事務所ジュネーブ支局のティンレイ・チュッキ代表は、小保方氏による報告書を歓迎し、「この報告書は、中国が、国連人権高等弁務官事務所に対し、東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)に関して公表しないよう長期間にわたり圧力をかけ続けている事実や、中国が、チベットと新疆ウイグル自治区における強制労働制度の存在を否定している報告を背景としている。国連特別報告者は、中国の『開発、雇用及び所得』に関するレトリックの正体を暴いただけではなく、チベットの農民、牧畜民その他の農村労働者の大規模な労働移転プログラムを強制労働として明確に分類している。従って、我々は、チベットにおける人道に反する犯罪たる奴隷制度の存在に関して、公正な分析を求める特別報告者の呼びかけに加わる。」と述べた。

中央チベット政権(CTA)情報国際関係省のノルジン・ドルマ大臣は、この報告書の重要性について言及し、「私たちは、チベットにおいてチベット人が強制労働にさらされているという我々の懸念と主張を実証する特別報告者小保方智也氏の時宣を得た報告を歓迎する。チベット人は、母国チベットにおいて組織的な差別を受け、実にひどい人権侵害にしばしば直面し、二流市民に追いやられている。この件に関して、我々は、50名の国連専門官らによる、中国がチベット人、ウイグル人、香港人、南モンゴル人及びその他の中国領域内で敢行する人権侵害に関して特別セッションを開催し、チベットにおける大規模な人権侵害について公正な分析を実施するよう改めて要請したことを重ねて表明する。」と述べた。

国連特別報告書による報告書はこちらから読むことができます。

オリジナル記事


(翻訳:仁恕)