2001年11月20日
ダラムサラ(AFP)
チベットの精神的指導者であるダライ・ラマは火曜日、母国であるチベットのための非暴力的な闘争は、若い世代に間違いなく引き継がれる、との考えを明らかにした。
1959年、チベット人による反中国政府運動が中国により制圧されたときにインドに亡命した現在65歳になる法王は、中国によるチベット文化の破壊政策が成功することはないであろう、と述べている。
ダライ・ラマは、即位60周年を記念する式典で、「チベット人の闘いは、ある個人によるものではない。これは、支配することのできない民族による闘争なのだ」と語った。
ダライ・ラマはさらに、「古い世代は、時がくればこの世から姿を消してしまうであろう。しかし、次の世代が行動を起こしてくれることを信じている」 と付け加え、次のように述べた。
「我々が亡命を余儀なくされてから、40年以上が経過した。この間、私が説いてきたのは非暴力による問題解決の道である」
式典には、チベット仏教の4つの宗派の、すべての座主が出席した。
この式典には、10代でチベット仏教の最高位に就き、ダライ・ラマが率いるチベット自由化運動を全面的に支援しているカルマパ17世も姿を見せた。
ダライ・ラマはまた、インド北部の丘陵地帯の町、ダラムサラにある亡命政府によって運営されているチベット人居住校の活動に関して、次のような感想を述べた。
「これらの学校では、優秀な活動が行われている。我々自身そのものである、我々の文化を保存することは重要である。それと同時に、文化をさらに発展させ時流に遅れないようにすることも重要だ」
また、式典が行われた同時刻、ネパールのカトマンドゥでダライ・ラマ法王の代表を務めるワンチュク・ツェリンは、カトマンドゥのチベット難民コミュニティの集会で、チベットではこの記念すべき祝典すら行うことはできない、と語り、また、次のように述べた。
「精神的指導者の即位60周年と同時に、世界中では、ダライ・ラマ法王の治世50周年が祝されている」
インドは、1959年に中国支配に対するチベット人の民族蜂起が不成功に終わりダライ・ラマ法王が亡命して以来、法王の後を追って亡命してきたおよそ10万人のチベット人のより所となっている。
中国政府は、民族蜂起以降、ヒマラヤ地域に対し圧政を強いてきたが、人権団体は、チベット文化を破壊するための広範囲にわたる不当な扱いであり、計画的なキャンペーンであると、主張している。