(2012年11月13日 AFP)
東京】焼身自殺による抗議を扇動しているという中国政府の非難を受け、ダライ・ラマ法王は13日、チベットを訪問し自殺が相次ぐ理由を調査してほしいと日本人議員団に呼びかけた
チベットの最高指導者ダライ・ラマ法王は、自民党総裁に再選された安倍晋三前総理大臣を含む130人の国会議員に向けて講演を行った。
「チベット人が「無念」に焼身自殺した現場も含め、議員団に「チベット訪問」をお願いしたい」と法王は国会内で要請した。
「外国の議員団がチベットを訪問し現状を伝えれば、中国政府や指導者も焼身自殺の実態を知るのではないだろうか」と付け加えた。
12日には2件の焼身自殺で2名が死亡し、11月2週目に中国に抗議し焼身自殺を図った人数は9人にのぼった。
このニュースが舞い込む数時間前に、法王は焼身自殺について調査するよう中国政府に強く要請し、「中国政府は自殺の背後にある理由よりも自分(法王)を非難することに熱心になっているようだ」と述べた。
これに対し、中国外交部の洪磊報道官は、法王が自殺を助長していると非難した。
洪磊報道官は定例記者会見のなかで、「中国の法律や仏教の教義に反するものであり、ダライが人々を自殺へと駆り立てている」と述べた。
「ダライは、人々の命を犠牲にして自らの目標であるチベットの独立を試みようとしており、その行為は強く非難されるべきだ」
洪磊報道官はまた、日本に関するコメントの中で、チベットの独立を求めることを否定しているダライ・ラマ法王を、日本の反中国右翼勢力と共謀していると非難した。
中国共産党大会が8日に北京で始まったことで、焼身自殺者の数はここ数ヶ月増加している。
次期総選挙で総理大臣の最有力候補者である安倍氏は、法王のスピーチに先立ち、チベット問題解決のために外交的手段を用いるよう議員団に要請した。
「人権が虐げられている状況を変えていくために、これからも全力を尽くしてチベットをサポートすることを誓う」と安倍氏は述べた。
議員らは、「チベット人やウイグル人に対する人権の不当な弾圧」を改善するよう強く中国政府に求める声明を採択した。
日本政府は、チベットは中国の一部だとする中国政府の立場を正式に認めており、議員が訪日中のダライ・ラマ法王と会見することを禁じている。
しかしながら中国政府は、法王の訪日を許可し、容認しがたい見解を述べる機会を与えていると、日本政府を批判している。
安倍氏の方針は、領土問題ですでに緊迫状態にある日中関係に影響を及ぼす可能性があることから、厳しい目にさらされるであろう。
(翻訳:パドマサマディ)